イェスタ・ペーテルソン

イェスタ・ペーテルソン：スウェーデン自転車競技界の至宝

イェスタ・ペーテルソン（Gösta Pettersson、1940年11月23日 - ）は、スウェーデン、ヴェストラ・イェータランド県アリングソース出身の元自転車競技選手。卓越した才能と不屈の精神で、数々の輝かしい記録を打ち立て、スウェーデン自転車競技界にその名を深く刻んだ。

彼は「イェスタ・フォーグルム（Gösta Fåglum）」とも呼ばれ、3人の兄弟（ステューレ、エリック、トーマス）もプロの自転車競技選手として活躍。「フォーグルム4兄弟」として、その名を知られた存在である。その中でも、イェスタは長男として兄弟を牽引した。

アマチュア時代の輝かしい実績

1963年、イェスタはステューレ、エリックと共にロードレースのチームタイムトライアルスウェーデン国内選手権に出場し、見事優勝。その後、このトリオは同大会同種目で7連覇という偉業を達成する。

1964年、東京オリンピックのロードチームタイムトライアルに、兄弟3人にスヴェン・ハムリンを加えた4人で出場。銅メダルを獲得に貢献した。また、同年の世界選手権自転車競技大会・個人ロードレースでは3位に入賞。

1967年、末弟トーマスがチームに加わり、フォーグルム4兄弟として世界選手権自転車競技大会・100kmロードチームタイムトライアルに出場。兄弟の結束力と卓越したチームワークで、見事優勝を飾った。翌1968年の世界選手権でも同種目を制覇し、その実力を世界に示した。

1968年のメキシコオリンピックでは、金メダルの有力候補として期待されたが、ヨープ・ズートメルクやレネ・パイネンらを擁するオランダに惜しくも敗れ、銀メダルに終わった。しかし、同大会の個人ロードレースでは銅メダルを獲得し、個人としても世界トップレベルの実力を持つことを証明した。

1969年の世界選手権チームタイムトライアルでは、前人未到の3連覇を達成。しかし、この年を最後にフォーグルム4兄弟での挑戦は終わりを迎えた。

同年、イェスタはスウェーデン国内選手権ロードレースの三冠（個人ロード、個人タイムトライアル、チームタイムトライアル）を達成。アマチュア選手としての集大成を飾るとともに、プロの世界へ挑戦することを決意。

1970年、フェッレッティチームと契約を結び、30歳でプロに転向。

プロとしての成功と伝説

プロ転向初年度の1970年、ツール・ド・ロマンディで総合優勝を果たし、その実力を証明した。また、同年のツール・ド・フランスでは総合3位と健闘し、世界的な注目を集めた。

1971年のジロ・デ・イタリアでは、第18ステージ終了後にマリア・ローザ（総合首位の証）を獲得。そのまま最終ステージまで守り抜き、見事総合優勝を果たした。これは、2010年現在に至るまで、グランツール（自転車ロードレースにおける主要な3つの大会）においてスウェーデン国籍の選手が総合優勝を果たした唯一のケースである。

この他にも、同年のパリ～ニースで総合2位、ミラノ～サンレモで3位入賞するなど、数々の輝かしい成績を残した。

1974年のツール・ド・スイスでは総合2位となったが、同年を最後に現役を引退。その短いプロキャリアの中で、数々の伝説を打ち立てた。

イェスタ・ペーテルソンは、アマチュア時代からプロ時代まで、常にトップレベルで活躍し、スウェーデン自転車競技界に多大な貢献をした。彼の功績は、今もなお多くの人々に語り継がれている。

イェスタ・ペーテルソン - サイクリングアーカイヴス（英語）
イェスタ・ペーテルソン - Olympedia（英語）

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