イエスタデイ・ワンス・モア

「イエスタデイ・ワンス・モア」

「イエスタデイ・ワンス・モア」（Yesterday Once More）は、カーペンターズによって1973年にリリースされたシングルです。この曲は、ジョン・ベティスが歌詞を手掛け、リチャード・カーペンターが作曲を担当しました。この作品は、ラジオで聴いていたオールディーズの懐かしさをテーマにしています。

アルバム『ナウ・アンド・ゼン』では、B面の1曲目として収録されており、オールディーズのカヴァー・メドレーがその後に続きます。また、アルバムの終わりには「イエスタデイ・ワンス・モア」のリプライズがあり、この曲が持つ深い感情を演出しています。最初はメドレーが企画され、それに意味合いを持たせるためにリチャード・カーペンターがこの曲を創作した背景があります。B面には「明日への旅路（Road Ode）」が含まれ、こちらは1972年に発表されたアルバム『ア・ソング・フォー・ユー』に収録されています。

アメリカでは、1973年7月28日にBillboard Hot 100で2位を記録。その後、日本とイギリスにおいてもカーペンターズの最大のヒット曲となり、日本国内では公称セールスが100万枚を超え、オリコン洋楽チャートではなんと26週連続1位を記録しました。この曲は、当時の多くのリスナーの心を掴んだことが伺えます。

また、「イエスタデイ・ワンス・モア」は数々のCMソングとしても使用されています。特に、1990年代に三菱電機のオーブンレンジのCMでこの曲が使用され、再び注目を集めました。さらに、2012年の東北放送のアナログ放送終了特別クロージングのBGMにも本曲が用いられるなど、長きにわたり多くの人々に親しまれています。

演奏者については、カレン・カーペンターがボーカルとドラムを務め、リチャード・カーペンターがボーカルとキーボード、指揮を担当しています。また、ジョー・オズボーンがベース、トニー・ペルーソがエレクトリック・ギター、アール・ダムラーがイングリッシュ・ホルン、ゲイル・レヴァントがハープを演奏しました。

「イエスタデイ・ワンス・モア」の人気は、他のアーティストによるカバーも生み出しています。例えば、ザ・ベンチャーズが1973年にカバーし、内山田洋とクール・ファイブやキャンディーズも1974年にそれぞれシングルとして発表しました。また、晃（フィンガー5のボーカル）、青江三奈、弘田三枝子など、様々なアーティストがこの名曲を自らのスタイルで歌い上げています。近年でも、スコット・マーフィーや西田あいなど、多くの新しいアーティストがカバーをリリースしており、世代を超えて愛され続けていることが分かります。

「イエスタデイ・ワンス・モア」は、このように、単なる楽曲以上の存在感を持っており、リスナーに懐かしさと共感を与える特別な一曲として今なお多くの心に響いています。

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