イギリス鉄道警察

イギリス運輸警察（BTP）

イギリス運輸警察は、イギリス国内の鉄道網の安全を確保するための特殊な警察機関です。1949年に設立され、当初はイギリス運輸委員会警察という名前でしたが、その後の行政機関の統合に伴い、現在の名称に改められました。この組織は、グレートブリテン島全体において鉄道関連の安全を維持する役割を担っており、北アイルランドの鉄道は北アイルランド警察庁が担当しています。

組織の構成と役割

イギリス運輸警察は約2800人の警察官と1400人の専門職員を有しています。これらの職員は、駅や列車、鉄道関連施設における犯罪の予防と捜査、犯罪者の逮捕など、様々な治安維持活動を実施しています。具体的には、公共の交通機関が安全に運行されるよう努めており、乗客の安心した移動を確保することが重要な使命です。

また、ロンドン地下鉄やユーロスター、ドックランズ・ライト・レイルウェイなどもその管轄に含まれています。これにより、英国の主要交通機関においても迅速な対応が可能であり、広範なエリアにおける鉄道の安全を監視しています。

制服と勤務スタイル

警察官の制服は、白のワイシャツまたは黒のTシャツに加え、ジャケットやスラックスを身につける形式が一般的です。そのほか、安全性を重視した黄色のベストも着用されます。男性警察官はピークド・キャップを被り、状況に応じてクレスト型のヘルメットを用いることもあります。鉄道警察では、「通常は」銃器を携帯しないことも注目されており、非武装での対応を基本としています。

管轄エリアと路線

イギリス運輸警察は、スコットランドやノースウェスタンなど7つの管区に分かれて運営されており、管轄する鉄道網は広範囲に渡ります。管轄下の鉄道には、ロンドン地下鉄、ユーロスター、タイン・アンド・ウィア・メトロ、ウェスト・ミッドランズ・メトロなどが含まれ、それぞれの路線で安全を確保しています。

管轄駅数は3,000以上、延長は約10,000マイルにも及び、年間の利用客数は幹線だけで10億人を超えるという、大規模な組織です。これらのデータは、イギリス及びその周辺地域の運輸サービスがどれほど重要であるかを物語っています。

最終権限

イギリス運輸警察の活動における最終的な権限は、イギリス運輸省、スコットランド議会、ウェールズ議会にあります。加えて、鉄道事業者団体からなるイギリス鉄道警察当局（BTPA）も設立されており、地域ごとの安全基準の策定や運営が行われています。

このように、イギリス運輸警察は鉄道の安全管理における不可欠な存在であり、日々、乗客の安全を守るために尽力しています。

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