イコライザ (通信技術)

通信技術におけるイコライザとは

イコライザとは、情報通信における電気信号の周波数特性を調整し、最適化するための補償回路です。具体的には、周波数フィルタなどを利用して信号を調整します。イコライザは、電気信号の周波数特性を全体的に加工・調節する回路全般を指し、音響信号を扱うもの、情報通信用の信号を扱うもの、画像処理で明度などを均一化するものなどがあります。本稿では、情報通信用のイコライザについて詳しく解説します。

イコライザの概要

情報通信において、イコライザは受信した電気信号を対象とします。伝送路の特性によって変化した信号波形を、元の状態に復元したり、変化を最小限に抑えることを目的としています。多くの場合、高速伝送のために伝送路の帯域上限まで使用された信号は、ローパスフィルタを通ったように高周波成分が失われます。イコライザは、この失われた高周波成分を補強するために、高域側を増幅する回路として機能します。

送信側で高域を増幅する「プリエンファシス」とは異なり、イコライザは受信側で高域を増幅します。これにより、伝送路間での不要な電磁放射（EMI）を小さく抑えつつ、必要な増幅量を大きくできます。さらに、伝送路特性のトレーニングを実施することで、デエンファシスよりも細かい調整が可能です。

イコライザの主な役割

イコライザの主な役割は以下の通りです。

信号波形の復元: 伝送路の影響で歪んだ信号波形を、元の状態に近づけます。
周波数特性の最適化: 信号の周波数成分を調整し、伝送路の特性に合わせて最適化します。
高周波成分の補強: 伝送中に失われた高周波成分を増幅し、信号の品質を向上させます。
伝送路特性への適応: 伝送路の状態に応じて、動的に信号を調整します。

イコライザの種類

イコライザには、用途や実現方式に応じて様々な種類があります。代表的なものとして、以下のようなものがあります。

アナログイコライザ: アナログ回路を用いて信号を処理するイコライザです。
デジタルイコライザ: デジタル信号処理を用いて信号を処理するイコライザです。より柔軟な調整が可能で、高度な処理が可能です。
適応イコライザ: 伝送路の変動に合わせて自動的に特性を調整するイコライザです。

まとめ

イコライザは、情報通信において非常に重要な役割を担っています。伝送路によって劣化してしまった信号を復元し、より高品質な通信を実現するためには、イコライザの存在が不可欠です。技術の進歩に伴い、イコライザの性能も日々向上しており、今後の通信技術の発展に大きく貢献していくと考えられます。

関連項目

プリエンファシス
* 全高調波歪

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