イジャスラフ・ウラジミロヴィチ (ムーロム公)

イジャスラフ・ウラジミロヴィチ（1077/8年 - 1096年）は、キエフ大公ウラジーミル・モノマフとギータの間に生まれた次男です。彼はクルスク公（在位：? - 1095年）とムーロム公（在位：1095年 - 1096年）を務めました。

生涯

1094年、イジャスラフの父であるモノマフは、チェルニゴフのオレグを攻撃しました。翌1095年、イジャスラフはクルスクから、オレグが所有していたムーロムへと移りました。

チェルニゴフからオレグを追放した後、モノマフとスヴャトポルク2世はポロヴェツ族によるキエフとペレヤスラヴリへの襲撃を受けます。しかし、1096年のトルベジュ川の戦いで、ポロヴェツ族のハン・トゥゴルカンに決定的な打撃を与え、ルーシへのポロヴェツ族の侵入を食い止めることに成功しました。

その頃、オレグはスモレンスクで軍勢を集め、ムーロムへ進軍していました。オレグはイジャスラフに対し、自身が世襲領地権を持つモノマフ領のロストフとスーズダリから退くように要求します。イジャスラフはロストフ、スーズダリ、ベロオゼロからムーロム防衛のための軍勢を集め、戦いに臨みましたが、ムーロム近郊での戦闘で命を落としました。イジャスラフの妻子に関する記録は残されていません。

戦闘に勝利したオレグは、ムーロム、ロストフ、スーズダリを占領しました。しかし、ムスチスラフとヴャチェスラフ（共にモノマフの子であり、オレグ同様にロストフとスーズダリの世襲領地権を有していました）を長とするノヴゴロド、ペレヤスラヴリ、ポロヴェツ族の軍勢による攻撃を受け、撤退と講和を余儀なくされました。最終的に、この領土をめぐる紛争は、1097年のリューベチ諸公会議において、ロストフとスーズダリはモノマフの領土、ムーロムはオレグの領土とすることで承認されました。

参考文献

國本哲男他訳 『ロシア原初年代記』 名古屋大学出版会、1987年。
アレクサンドル・ダニロフ他 『ロシアの歴史（上） 古代から19世紀前半まで』 寒河江光徳他訳、明石書店、2011年。

外部リンク

Ипатьевская летопись
Л.Войтович.КНЯЗІВСЬКІ ДИНАСТІЇ CXIДНОЇ ЄВРОПИ

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