イスラーム革命評議会

イスラーム革命評議会の概要

イスラーム革命評議会（Shourā-ye Enqelāb-e Eslāmī）は、イラン・イスラーム革命を遂行する目的で1979年に設立された合議体です。その設立は、革命指導者アーヤトッラー・ルーホッラー・ホメイニーが帰国を控える中で促進されました。評議会は、数ヶ月にわたる革命に関連する多くの重要な決定や法律を創出し、イスラーム共和国体制の確立において中心的な役割を果たしました。

設立の経緯

1979年、イランのデモ運動が高まりを見せる中、イスラーム革命評議会の設立が提案されました。この構想は、モルタザー・モタッハリーがホメイニーに助言し、彼の了解を得た後に実現されました。ホメイニーはこの評議会の設立を1月22日に発表し、特にウラマーや世俗の反体制派がメンバーとして参加することが明示されました。

構成と機能

評議会は、ホメイニーに近いウラマー7名、世俗の反体制派7名、治安部隊の代表者2名から成り立っています。主要なメンバーとして、モハンマド・ベヘシュティーやモタッハリー、ハーシェミー・ラフサンジャーニー、アリー・ハーメネイーなどが指名されました。暫定政権が設立されると、評議会は主に立法的な役割を担うことになり、行政機能を分離させましたが、評議会出身者が閣僚を占める構造から「二重政府」とも揶揄されることがありました。

主要な活動と決定

評議会は、憲法草案の起草や国民投票、議会選挙の実施を含むさまざまな活動を行いました。例えば、1979年2月にバーザルガーンを暫定首相に推薦し、政府機能を整えるとともに、イスラム革命防衛隊規約を承認するなどの法的基盤を築きました。また、革命を防衛し反革命に対処するための「イスラーム革命臨時委員会」の設立も行われました。

政権交代と評議会の解散

1979年11月4日に起きたイラン・アメリカ大使館人質事件は、評議会と暫定政権との関係に大きな影響を及ぼしました。この事件の結果、バーザルガーンは辞表を提出し、評議会は国民に対して重要な声明を発表しました。その後、評議会のメンバーは新たに選出され、行政機能を強化しました。最終的には、1980年7月に評議会の活動が終了し、次の組織への移行がスムーズに行われました。

評議会の終焉

評議会の存在意義は、議会やその他の機関の活動が開始されるにつれて薄れていきました。そのため1980年7月3日、ベヘシュティーは評議会の解散を発表しました。最後の会合は同年7月17日に開催され、評議会の歴史的任務は終了しました。評議会のメンバーの中には、初期の段階で暗殺された者や政権の変動により失脚した者も多く存在しました。

このように、イスラーム革命評議会はイランの歴史において重要な役割を担い、その活動を通じてイスラーム共和国の設立に寄与しました。

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