イズゴイ

イズゴイとは、キエフ・ルーシ期において、元来所属していた社会階層や共同体から離脱した人々を指す言葉です。その語源はスラヴ祖語にあり、「生活の外」という意味合いを持ちます。

ノヴゴロド公フセヴォロドによる教会関連の法令には、イズゴイが広範な意味を持つ用語として登場します。この法令によれば、イズゴイには主に三つの種類が存在しました。第一に、十分な学識を持たない司祭の子。第二に、自らの財産を支払うことで奴隷身分から解放された人々（ホロープ）。そして第三に、高利貸しを行う商人です。さらに、孤児となった公（クニャージ）もまた、第四のイズゴイとして位置づけられていました。また、イズゴイは教会の庇護を受ける人々を指す場合もありました。

特に注目されるのは、公のイズゴイ（クニャージ・イズゴイ）です。これには、上記のような孤児となった公の他に、父や親族から相続する領地を与えられなかった公が含まれます。これらの継承権を持たない公たちは、自らの領土を獲得するために、時には遊牧民の支援を得て、正当な後継者である公に対して武力闘争を仕掛けることもありました。

関連語句

クニャージ：公国の公。
ヴェリーキー・クニャージ：大公国の公。
ウデリヌィー・クニャージ：分領公国の公。
スルジィリィー・クニャージ：主に軍事的な任務を遂行するために雇用された公。勤務公とも呼ばれます。

参考文献

* 田中陽兒「キエフ国家の解体」 // 『世界歴史大系 ロシア史 1 -9世紀～17世紀-』、田中陽兒・倉持俊一・和田春樹編、山川出版社、1995年9月。ISBN 978-4-634-46060-7。

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