イタリア風序曲 (シューベルト)

イタリア風序曲について

イタリア風序曲は、フランツ・シューベルトが1817年に作曲した2つの管弦楽序曲です。ニ長調の第1番(D 590)とハ長調の第2番(D 591)が存在します。これらの作品は、当時のウィーンで人気を博していたロッシーニのオペラ音楽の影響を強く受けており、その特徴である明るく華やかな雰囲気が色濃く反映されています。

作曲の背景

1817年当時、ウィーンの音楽界ではロッシーニのオペラが空前のブームとなっており、シューベルトもその影響を強く受けていました。この時期に作曲された「イタリア風序曲」は、ロッシーニの作風を意識しつつも、シューベルト独自の音楽性を発揮した作品として評価されています。また、作曲された同年には、シューベルト自身の手によって4手ピアノ連弾曲にも編曲され、家庭でも親しまれるようになりました。

初演とその後

1818年3月には、どちらかの序曲が公開演奏された記録が残っています。どちらの曲が演奏されたかは明確にはなっていませんが、当時の聴衆に好評を博したと考えられます。特に第1番[ニ長調]は、後に劇音楽「ロザムンデ」の序曲（元々は「魔法の竪琴」の序曲として作曲されたもの）に転用され、広く知られるようになりました。

編成

両曲とも同じ楽器編成で書かれており、以下の通りです。

フルート2
オーボエ2
クラリネット2
ファゴット2
ホルン2
トランペット2
ティンパニ
弦五部

この編成は当時のオーケストラの標準的なもので、シューベルトの管弦楽作品の特徴の一つでもあります。

音楽の特徴

イタリア風序曲は、ロッシーニ風の軽快で華やかな旋律が特徴です。しかし、シューベルトらしい抒情的な美しさも随所に感じられます。両曲とも、序曲としての機能だけでなく、独立した管弦楽曲としても高い芸術性を持っています。

楽譜

国際楽譜ライブラリープロジェクトで、それぞれの楽譜が公開されています。

イタリア風序曲第１番[[ニ長調]](https://imslp.org/wiki/Overture_in_the_Italian_Style_in_D_major,_D.590_(Schubert,_Franz))
イタリア風序曲第２番[[ハ長調]](https://imslp.org/wiki/Overture_in_the_Italian_Style_in_C_major,_D.591_(Schubert,_Franz))

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