イダルゴ (小惑星)

イダルゴ (944 Hidalgo) の概要

イダルゴは、土星族彗星に類似した軌道を持つ小惑星で、1920年10月31日にハンブルク近郊のベルゲドルフ天文台で発見されました。この名称はメキシコ独立革命の英雄、ミゲル・イダルゴを称えるものであり、メキシコ大統領・アルバロ・オブレゴンからの許可を得て名付けられました。特に日本では「ヒダルゴ」と呼ばれることも多く、その名称の多様性も興味深い点です。

軌道の特徴

イダルゴは特異な軌道特性を持っており、離心率は0.66と高めです。この高い離心率は、かつて彗星であった可能性が示唆されています。近日点は小惑星帯の内側に位置し、遠日点は土星の公転軌道に非常に近い場所にあるため、厳密には土星の軌道をかすめつつも横断はしていません。また、イダルゴの軌道傾斜角は43度弱で、これは過去に木星の近くを通過した際の影響と考えられています。

小惑星としての分類

イダルゴが発見されるまで、最も長い公転周期を持つ小惑星として知られていましたが、(95P/2060)キロンの発見によりこの称号は失われました。現在、ジェット推進研究所 (JPL) のデータベースではケンタウルス族に分類されています。

更に、観測結果に基づき、イダルゴはD型小惑星に分類されており、自転周期は約10.1時間であるとされています。形状については、おそらく細長いと考えられています。

研究と観測

1993年、ハッブル宇宙望遠鏡を用いて行われた「ハッブル遷移彗星捜索」において、アマチュア天文家を含む研究グループによる観測対象の一つに選ばれました。このプロジェクトは小惑星の水酸基放射の紫外線観測を目的としており、イダルゴもその研究の重要な一環として位置付けられています。

関連項目

イダルゴの特徴や発見に関して更に知識を深めるためには、関連項目として「小惑星の一覧 (1-1000)」「木星横断小惑星」「ケンタウルス族 (小惑星)」「ダモクレス族」「彗星・小惑星遷移天体」などを参照することをお勧めします。これらの項目は、イダルゴが属する小惑星帯や、他の類似した天体の理解を助けるでしょう。

参考資料

イダルゴに関する詳しい情報は、JPLによるイダルゴの軌道要素を確認することで、さらなる研究が可能です。

もう一度検索