イダ・プレスティ

イダ・プレスティ（Ida Presti, 1924年5月31日 - 1967年4月24日）は、フランス出身の傑出した女性ギタリストであり、作曲家としても才能を発揮しました。彼女は20世紀を代表するギタリストの一人として、その名を歴史に刻んでいます。

生涯

イダ・プレスティは、フランスのシュレンヌで生まれました。幼少期からギターの才能を発揮し、神童としてその名を知られるようになりました。1950年には、同じくギタリストであるアレクサンドル・ラゴヤと出会い、ギターデュオ「プレスティ&ラゴヤ」を結成します。このデュオは、世界各地で2000回もの演奏会を開催し、ギターデュオとして歴史上最も成功したグループの一つとなりました。

プレスティ&ラゴヤは、17年間の活動の中で数々の成功を収め、多くの作曲家から作品を献呈されました。アンドレ・ジョリヴェは《2台ギターのためのセレナード》を、ジャン・イヴ・ダニエル＝ルジュールは《2台ギターのための悲歌》を、マリオ・カステルヌオーヴォ＝テデスコは《24の前奏曲とフーガ》や《2台ギターと管弦楽のための協奏曲》を彼らに捧げています。また、プレスティ&ラゴヤは、スペイン音楽やバロック音楽をギターデュオ用に編曲し、レパートリーを拡大しました。

プレスティは作曲家としても活動し、《ギターのための6つの練習曲》、《リズミカルな踊り》、《セゴビア》、《ハンガリー舞曲（バルトーク・ベーラを称えて）》（2台ギター用）などの作品を残しました。彼女の作曲は、ギターの可能性を追求し、高い音楽性と技巧を要求するものでした。

演奏家としてのイダ・プレスティは、卓越したテクニックと表現力を持っていました。録音では、数々の二重奏曲に加えて、多くの独奏曲も残しており、彼女の演奏風景や録音風景を収録した映像も現存しています。これらの記録は、難曲をいとも簡単に弾きこなすプレスティの類まれな超絶技巧を証明するものとなっています。

しかし、1967年、アメリカでの演奏旅行中に肺癌の合併症で出血し、ロチェスターで42歳の若さでその生涯を閉じました。プレスティ&ラゴヤは、彼女の死によって自然消滅しました。

イダ・プレスティは、その短い生涯の中で、ギター音楽の発展に大きく貢献しました。彼女の残した音楽と演奏は、現在も多くのギタリストに影響を与え続けており、その功績は永遠に語り継がれるでしょう。

参考文献・出典・外部リンク

Anne Marillia & Elisabeth Presti: Ida Presti — sa vie, son art/her life, her art. 2005.
Information (www.guitare-diffusion.com)
* Myspace (www.myspace.com)

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