イット・バイツ

イット・バイツ（It Bites）

イット・バイツは1982年、イギリスのカンブリア州エグレモントにて、フランシス・ダナリーやジョン・ベックらによって結成されたプログレッシブ・ロックバンドです。彼らは結成から数年後にロンドンに活動拠点を移し、独自の音楽スタイルと魅力ある楽曲で注目を集めました。

バンドは1984年にデモテープを作成し、これが評価されることでヴァージン・レコードやゲフィン・レコードとの契約が実現しました。マネージメントには、エイジアや元・イエスの敏腕マネージャーとして知られるブライアン・レーンが付き、彼らは「第2のエイジア」として売り出される計画がありました。

1986年3月にリリースされたシングル「All In Red」は好評を得て、続く6月には「Calling All The Heroes」が全英シングルチャートで6位を記録しました。その後、同年7月にはファースト・アルバム『ザ・ビッグ・ラド・イン・ザ・ウィンドミル』を発表しましたが、売上は思ったほど伸びませんでした。

続けて1988年にはセカンド・アルバム『ワンス・アラウンド・ザ・ワールド』をリリースし、このアルバムにはプログレッシブ・ロックの影響が色濃く表れた長尺の楽曲も収録されています。翌1989年にはサード・アルバム『イート・ミー・イン・セント・ルイス』を発表し、アートワークには著名なアーティスト、ロジャー・ディーンが参加しました。

1990年にはイギリスでミニツアーを行った後にロサンゼルスでアルバムのレコーディングを開始しましたが、音楽性の違いからフランシス・ダナリーは脱退し、その後をリー・ノットが引き継ぎました。しかし、バンドは契約を失い、名前を「シスター・サラ」や「ナバホ・キッス」に変え活動を続けましたが、最終的には解散へと至りました。

その後、2003年にオリジナルメンバーによる再会が行われ、ツアーやアルバムの計画が発表されましたが、実現には至りませんでした。2006年にはジョン・ミッチェルをフロントマンに迎え再結成し、アルバムをリリースする等、活動を活発化させましたが、2015年にジョン・ベックが事故に遭ったことから活動を休止中です。

2023年にはフランシス・ダナリーが「フランシス・ダナリーズ・イット・バイツ」という名義で活動を開始し、イット・バイツの楽曲をカバーしたライブを行い、新たなアルバムをリリースしています。

メンバー構成

現在のメンバーは、ジョン・ベック（キーボード、ボーカル）、ボブ・ダルトン（ドラム）、ジョン・ミッチェル（ボーカル、ギター、ベース）、リー・ポメロイ（ベース）から成り立っています。

過去のメンバーにはフランシス・ダナリー（ボーカル、ギター）、ディック・ノーラン（ベース）、リー・ノット（ボーカル）などがいます。

ディスコグラフィ

彼らの音楽は、プログレッシブ・ロックの重要な一翼を担っており、現在もファンに愛され続けています。再結成やメンバーの活動を通じて、新たな作品への期待も高まっています。

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