ブライアン・レーン

ブライアン・レーンは、イギリスの音楽業界において、マネージャーとして多大な影響を与えた人物です。特に、プログレッシブロックバンド、イエスやエイジアなどのマネージメントを手掛けたことで広く知られています。彼が社長を務めるSunArtsは、数々の著名なアーティストを輩出し、音楽業界に貢献してきました。

1970年代半ば、レーンはロイ・フリンの後任としてイエスのマネージャーに就任しました。彼は、1971年1月からのイギリスおよびヨーロッパツアーをはじめ、ステージやレコーディングの手配など、多岐にわたるマネージメント業務を遂行し、イエスの人気と知名度を飛躍的に向上させることに貢献しました。

イエスの他にも、リック・ウェイクマン、エマーソン・レイク・アンド・パウエル、3、バグルス、エイジア、GTR、イット・バイツなど、数多くのバンドやミュージシャンのマネージャーを務めました。彼は単なるマネージャーに留まらず、音楽業界の「仕掛け人」「企画屋」としての側面も持ち合わせていました。

1979年、イエスからジョン・アンダーソンとリック・ウェイクマンが脱退した後、レーンはバグルスのトレヴァー・ホーンとジェフ・ダウンズをイエスに加入させるという大胆な戦略を実行しました。また、1982年にはエイジアを結成させ、1983年にはジョン・ウェットンを解雇してグレッグ・レイクを招集するなど、その手腕を発揮しました。

1986年には、スティーヴ・ハウとスティーヴ・ハケットを引き合わせてGTRを結成させ、1988年にはアンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウ（ABWH）を結成させるなど、その企画力は音楽業界で高く評価されました。さらに、1989年には8人組のイエスの編成、2016年にはアンダーソン・ラビン・ウェイクマンを結成させるなど、晩年まで精力的に活動しました。

1976年には、リック・ウェイクマン、ジョン・ウェットン、ビル・ブルーフォードによるスーパー・トリオの結成を企画しましたが、レコード会社との契約問題などから、リハーサルのみで実現には至りませんでした。しかし、この企画からも、彼の音楽に対する深い造詣と、革新的なアイデアが伺えます。

ABWHのライブ・アルバム『イエス・ミュージックの夜』ではプロデューサーを務め、GTRのビデオ"Making of GTR"（日本未発売）にはインタビューに応じる模様が収録されています。また、ABWHのビデオ『イン・ザ・ビッグ・ドリーム』でも彼の姿を確認することができます。

ブライアン・レーンは、その卓越したマネージメント能力と企画力で、数多くのアーティストの成功を支え、音楽史に大きな足跡を残しました。

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