イハラケミカル工業

イハラケミカル工業株式会社の概略

イハラケミカル工業株式会社は、日本の農薬製造および販売を専門とした企業で、JA系列に属していました。特に、除草剤や殺菌剤など、さまざまな農薬を提供し、農業の発展に貢献していましたが、2017年5月1日をもって、クミアイ化学工業に吸収合併され解散しました。

沿革

イハラケミカル工業の歴史は1965年に始まります。この年、イハラ農薬（現クミアイ化学工業）と日本曹達の共同出資により設立されました。設立当初から、農薬の製造と供給に力を入れ、特に品質管理や技術革新に注力しました。
1974年には、東京証券取引所2部に上場し、その後1979年には1部へ昇格し、企業の成長を確実なものにしました。その後、長年にわたり農薬市場での競争力を維持し続けたものの、2017年にはクミアイ化学工業への吸収合併に至りました。

事業所

イハラケミカル工業の本社は東京都台東区に位置し、クミアイ化学工業株式会社のビル内にありました。また、静岡県富士市には主要な静岡工場と研究所があり、多くの製品がここで開発・生産されていました。さらに、アジア市場への対応として、上海に事務所を設立していました。

主な製品

イハラケミカル工業が手掛けた製品は多岐にわたり、主に農薬関連製品が中心でした。特に、以下の製品が代表的です。

• - 除草剤

サターン、ヒエクリーン、ノミニー、ステイプル、ピリミスルファン
これらの除草剤は、農作物を育てる上で必要な草の駆除を目的としています。

• - 殺菌剤

キタジンP、バシタック、フルピカ、マモロット
これらの製品は、植物に発生する病気の防止を目的とし、消費者から高く評価されました。

• - 殺ダニ剤

パノコンは、特にダニによる被害を防ぐために使用される製品です。

• - 植物成長調整剤

ビビフルは、作物の成長を促進するために、農家に利用されました。

さらに、化成品部門では、有機中間体としてクロロトルエンやクロロベンジルクロライドなど多くの化学製品も供給していました。これにより、農薬製造に不可欠な原料を提供することができました。
また、アミン硬化剤も開発し、広範な用途に対応した製品を市場に投入していました。

まとめ

イハラケミカル工業株式会社は、農薬業界において多大な実績を残した企業であり、多様な製品群を通じて農業の効率化に貢献していました。しかし、時代の変化に伴い、他の企業に吸収されることでその歴史は終わりを迎えたと言えるでしょう。彼らの提供した製品は、多くの農家にとって頼りにされており、その技術と品質は今もなお評価されています。

もう一度検索