イバダン大学

イバダン大学：ナイジェリア高等教育の礎

ナイジェリア西部イバダン市に位置するイバダン大学は、1948年11月17日、ナイジェリアにおける最古の大学としてその歴史を刻みました。イギリス植民地時代の出来事であり、当時の植民地相アーサー・クリーチ・ジョーンズによって、イバダン首長から999年の長期借地権を得て設立されました。ロンドン大学傘下のカレッジとして出発したこの大学は、マクスウェル・フライやジェーン・ドルーといった建築家たちの設計による校舎を擁し、そのアカデミックな基盤を築き上げました。

1957年には500床を有する大規模な研修病院が併設され、教育・研究機能の充実を図り、大学としての体制を更に強化しました。そして、ナイジェリアが独立を果たした1962年には、ロンドン大学からの独立を果たし、完全にナイジェリアの国立大学としての地位を確立しました。

1963年には、初代連邦首相アブバカル・タファワ・バレワが初代学長に就任。伝統的な歓迎式典であるトーキングドラムの演奏が式典を彩りました。また、初代のナイジェリア人副学長にはケネス・ダイクが就任し、ナイジェリア人による大学運営への移行が着実に進みました。

イバダン大学は、多様な学問分野を網羅する学部を擁しています。具体的には、農林学部、芸術学部、基礎医療学部、犯罪学部、歯学部、教育学部、法学部、薬学部、公衆衛生学部、理学部、社会学部、工学部、獣医学部など、幅広い分野をカバーしています。これら多様な学部は、ナイジェリアの社会発展に貢献する高度な専門家を育成する役割を担っています。

そして、イバダン大学は数々の著名人を輩出してきたことでも知られています。ノーベル文学賞を受賞したウォーレ・ショインカをはじめ、薬剤師・実業家のアデバヨ・アロンジ、歴史家のジェイコブ・アデ・アジャイ、小説家のチヌア・アチェベ、文学者のアビオラ・イレレ、作家のコーレ・オモトショ、詩人・歌手のニイ・オシュンダレ、劇作家・環境活動家のケン・サロ＝ウィワなど、多岐にわたる分野で活躍する人材が、イバダン大学で学んだ経験を土台に、世界に貢献しています。

創立以来、数々の変遷を経てきたイバダン大学ですが、その教育・研究活動は、常にナイジェリアの社会発展に貢献することを目指し、ナイジェリア高等教育の中核を担う存在として、その地位を不動のものとしています。歴史と伝統を誇るイバダン大学は、今後もナイジェリアの未来を担う人材育成の中枢として、その役割を担い続けることでしょう。

もう一度検索