イブキガバメント

イブキガバメント：重賞2勝を挙げた名馬の軌跡

イブキガバメントは、2001年の朝日チャレンジカップと2002年の鳴尾記念という2つの重賞競走を制覇した名競走馬です。その母は、川崎競馬場所属で活躍した名牝ロジータ。数々の競走で実力を見せつけ、多くのファンを魅了しました。デビューから引退、そしてその後の余生まで、イブキガメントの生涯を詳しく見ていきましょう。

若き日の挑戦と苦闘：1998年～1999年

1998年9月、阪神競馬場で行われた3歳新馬戦でデビュー。しかし、初戦は骨折の影響で大きく出遅れ、最下位に終わるという悔しい結果に。その後、ダート戦で3着に入るなど、持ち前の能力の片鱗を見せ始めます。そして、3戦目で初勝利を挙げ、期待の高まる中、4歳以上500万下競走でも勝利を収めます。昇級戦では2着と健闘し、野分特別では逃げ切り勝ちで3勝目を飾ります。しかし、重賞初挑戦となった京都新聞杯では14着と大敗。その後も条件戦を3戦走りますが、勝利には届きませんでした。

挑戦と成長の2000年

2000年は、4か月半ぶりの出走となった晩春ステークスで4着、続くエメラルドステークスで3着とまずまずの結果を残します。その後、降級を経て、格上挑戦を2戦行いますが、自己条件の西日本スポーツ杯では僅差の2着に終わります。鳴海特別では5着と結果を残せませんでした。

重賞制覇への道：2001年

2001年、5歳となったイブキガバメントは千里山特別で勝利し、4勝目を挙げます。続く難波ステークスでは3馬身差の圧勝で連勝を飾ります。GI競走である天皇賞（春）に格上挑戦しますが、7着に終わります。金鯱賞でも1番人気に推されながら5着と悔しい結果に。垂水ステークスではマヤノアブソルートにわずかに及ばず2着。しかし、天の川ステークスを制し、オープン入りを果たします。そして、朝日チャレンジカップでは1.8倍の1番人気に応え、逃げ粘るトウカイパルサーを捕らえ、重賞初制覇を成し遂げます。続く天皇賞（秋）では4着と健闘し、京阪杯では3着に入賞。有馬記念は12着と結果を残せませんでした。

重賞連勝と引退：2002年～2003年

6歳になった2002年、オーストラリアトロフィーでは11着と出遅れますが、小倉記念で2着、朝日チャレンジカップでも2着と好走を続けます。そして、鳴尾記念ではトップハンデを背負いながらも、エイシンスペンサーをクビ差で差し切り、重賞2勝目を達成します。

2003年、7歳となり中山金杯で4着、京都記念では2着、日経賞では6着と走り続けましたが、このレースを最後に競走馬登録を抹消されました。

引退後

引退後は鹿児島県のライディングパーク鹿児島で乗馬となり、その後は霧島高原乗馬クラブで余生を過ごしました。2015年11月30日、19歳でその生涯を閉じました。

血統背景

イブキガバメントの血統には、多くの活躍馬が名を連ねています。姉のシスターソノからはレギュラーメンバー（ダービーグランプリ、川崎記念、JBCクラシック優勝馬）が誕生し、兄にはオースミサンデー（弥生賞2着）、弟にはカネツフルーヴ（帝王賞、川崎記念、ダイオライト記念、オグリキャップ記念優勝馬）、妹にはアクイレジア（ジャパンダートダービー2着）がいます。

イブキガバメントは、華々しい勝利と惜敗、そして引退後の穏やかな日々を経て、多くの競馬ファンに記憶される競走馬となりました。

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