イペ

イペとは

イペ（ipe）は、南米原産のノウゼンカズラ科の広葉樹です。別名パオロペとも呼ばれ、タベブイア属やハンドロアンツス属の複数の樹種から得られる木材を指します。南米先住民の言葉で「皮の厚い木」を意味し、その名の通り非常に硬く、耐久性に優れているのが特徴です。

注意点:

• - イペは、ラパチョ、グリーンハート、アイアンウッドと呼ばれることもありますが、これらの名称は他の樹種を指す場合もあるため、注意が必要です。
• - 特に、グリーンハートとして有名なのは、イペとは異なるクスノキ科の樹木です。
• - アイアンウッドも複数の樹種を指すため、混同しないようにする必要があります。

イペの種類

イペと呼ばれる樹木には、いくつかの種類が存在します。代表的なものとして以下のようなものがあります。

• - キバナノウゼン (Handroanthus chrysanthus): 樹高30メートルに達する。
• - パウドアルコアマレロ (Handroanthus serratifolius): 樹高45メートルにもなる。
• - イペーロッシヨ（紫イペ） (Handroanthus impetiginosus): 樹高45メートルにも達し、ラバコールという成分を含み、防腐・防虫効果がある。

木材としての特徴

イペの木材は、年輪や杢目が少なく、非常に緻密な組織を持っています。色は薄褐色から暗色まで幅広く、辺材は黄白色です。

• - 非常に硬い: ドリルで穴あけしないとビス打ちも困難なほど。
• - 腐りにくい: 水につけても腐りにくい。
• - 加工が難しい: 乾燥すると割れや狂いが生じやすい。
• - シロアリや湿気に強い: 耐久性が高い。
• - 気乾比重: 0.91-1.20で、水に沈む。

アレルギー

イペに含まれるラバコールは、人によってはアレルギーを引き起こすことがあります。

• - 加工時にはマスクの着用が推奨されます。
• - 木屑が鼻や皮膚に付着すると、炎症や接触性アレルギーを引き起こす可能性があります。

用途

イペは、その耐久性と美しさから、様々な用途で使用されます。

• - 建築材: 木造建築物の基礎、ウッドデッキ、フローリングなど。
• - 楽器材: ヴァイオリン属の弓材として、希少なブラジルボクの代替材として評価されています。

特記事項

横浜大さん橋では、イペがフロア材として使用されましたが、乾燥による亀裂が多発し、来客の転倒事故を引き起こしました。イペの特性を十分に理解し、適切な施工を行うことが重要です。

その他

イペと似た木材として、ゴールドツリー（プリマベラ）があります。この木材も建築や家具に使われます。

参考資料

• - 世界木材図鑑
• - 木材加工面がわかる樹種事典
• - 木材活用ハンドブック
• - 日本で育つ 熱帯花木植栽事典
• - 園芸植物大事典
• - 熱帯植物要覧
• - A-Z 園芸植物百科事典
• - 増補改訂 原色 木材大事典185種
• - BG Plants 和名－学名インデックス
• - 知の遊びコレクション 樹木

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