ヴァイオリン属

ヴァイオリン属：4種の弦[[楽器]]が奏でるハーモニー

ヴァイオリン属は、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの4つの弦[[楽器]]から成るグループです。これらの楽器は音域が低音から高音へと順に異なり、大きさもそれに応じて異なります。形状、構造、奏法、そして演奏用途にも多くの共通点が見られます。それぞれの楽器の詳細は、それぞれの項目を参照ください。

4本の弦はそれぞれ太さが異なり、音域を共有しながらも、楽器ごとに異なる豊かな響きを生み出します。同じ音を異なる弦で奏でると、弦の重さや張力から音色の深さに違いが出ます。さらに、異なる楽器で同じ音を奏でると、楽器の大きさによる共鳴が加わり、音色の深さに大きな違いが生じます。

ヴァイオリン属の楽器は、16世紀以降の西洋音楽において重要な役割を担ってきました。しかし、その歴史を通して、楽器の形状や大きさは常に進化を遂げてきました。現在見られる標準的な形状や大きさは、長い歴史と多様な楽器を経て確立されたものです。今日では、歴史的なヴァイオリン属の楽器も多くが復元され、演奏されています。

ヴァイオリンとチェロは、独奏と合奏の両方で広く用いられる一方、ヴィオラとコントラバスは合奏に向いた楽器と言えるでしょう。ヴァイオリン属の楽器の大きな特徴は、複数の楽器で同じ旋律を演奏した時に、単独での演奏とは異なる魅力が生まれる点にあります。オーケストラでは、この特徴を活かし、各パートに複数の楽器が配置されるのが一般的です。

オーケストラにおけるヴァイオリン属

オーケストラにおいて、ヴァイオリン属の4種はほぼ必ず使用されます。音のバランスを考慮し、低音域を担当する楽器ほど人数が少なく、高音域を担当する楽器ほど人数が多くなります。ヴァイオリンは通常、2つのパートに分けられます。コントラバスはしばしばチェロのオクターブ下の音を奏でます。

「弦五部」とは、ヴァイオリン2パート、ヴィオラ、チェロ、コントラバス各1パートを指します。オーケストラの編成は2管編成から5管編成まで様々ですが、弦五部の理想的な人数バランスは、編成によって異なってきます。多くの文献では、金管楽器のフォルティッシモとバランスをとるには、木管楽器と弦[[楽器]]の比率を考慮すべきだと指摘されていますが、現実には、理想的なバランスは必ずしも実現されているわけではありません。

プルト制と編成の柔軟性

オーケストラや弦楽合奏では、譜面台を共有する2人を1単位とする「プルト」という単位で、各パートの人数を表現することが一般的です。各パートの人数が偶数である理由は、このプルト制によるものです。プルト数はあくまで目安であり、管楽器、打楽器、独奏楽器とのバランス、時代や地域、団体、作曲家、演奏者、指揮者の意向などによって、編成は柔軟に変更されます。例えば、ドビュッシーの「海」ではチェロのパートに16人が想定されていると推測されますが、それが弦五部全体の人数と関係するのか、それともチェロの比重が特別大きいことを意味するのかは、明確ではありません。また、ドイツやオーストリアでは、チェロやコントラバスを増強した重厚な響きが好まれる傾向があります。これは、和声の構成やバス音域の使い方においても、ドイツ系とフランス系で異なる傾向が見られることと関連していると考えられます。

ヴァイオリン属のアンサンブル

2種類以上のヴァイオリン属の楽器によるアンサンブルは、編成が流動的で、作曲家の自由な発想によって決定されることが多いです。代表的なアンサンブルには以下のものがあります。

合奏
弦楽合奏
オーケストラ

重奏
弦楽八重奏 (ヴァイオリン4、ヴィオラ2、チェロ2)
弦楽六重奏 (ヴァイオリン2、ヴィオラ2、チェロ2) / (ヴァイオリン2、ヴィオラ2、チェロ、コントラバス)
弦楽五重奏 (ヴァイオリン2、ヴィオラ2、チェロ) / (ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ2) / (ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)
弦楽四重奏 (ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ) / (ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)
弦楽三重奏 (ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)
二重奏 (ヴァイオリン、ヴィオラ) / (ヴァイオリン、チェロ) など

関連項目
ヴィオラ・ダ・ブラッチョ
ヴィオラ・ダ・ガンバ属
* ヴァイオリン・オクテット

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