知恵蔵

知恵蔵についての詳細

知恵蔵（ちえぞう）は、朝日新聞社が編集・発行する現代用語事典であり、1989年11月に創刊されました。その目的は、時代と共に進化する言葉や用語を的確に解説し、情報を広く伝えることです。初版は1990年に発行され、同時期に刊行されていた自由国民社の『現代用語の基礎知識』からの影響を受けて成り立っています。

発刊の経緯と変遷

知恵蔵は、毎年11月に発行され、初期の頃は紙媒体を中心に販売されていました。しかし、インターネットの広まりによる紙媒体の需要の減少や、他の競合辞典である集英社の『イミダス』との競争が影響し、2007年版を最後に紙媒体での発行が休止されました。この頃、知恵蔵はインターネットを活用した情報提供へと方針転換し、2008年6月には用語解説サイト『みんなの知恵蔵』を立ち上げ、誰でも無料で利用できる形となりました。

さらに、2009年からは講談社や小学館と提携し、サイト「kotobank」内で知恵蔵miniとしての提供も開始されました。これにより、知恵蔵はますます多くの人々に利用されるコンテンツへと成長しました。

辞典の特徴と構成

知恵蔵は、以下の九つの分野に分類され、各ジャンルの用語を詳細に解説しています：

1. 国際関係
2. 政治
3. 社会
4. 経済・産業
5. サイエンス・テクノロジー
6. 文化・芸術
7. 生活
8. スポーツ
9. 外来語・カタカナ語／略語

これらの部門において、知恵蔵は時代のトピックや社会的な問題などを特集として取り扱い、関連するデータを提供しています。また、50音索引やアルファベット索引を備えており、情報の検索も容易です。

Word of the Year

2000年からは「Word of the Year（ワード・オブ・ザ・イヤー）」という年間を代表する言葉を選定するイベントも行っていました。このイベントは、流行語大賞に影響を受けており、毎年11月中旬に発表されました。選考には選考委員の意見が重視される一方で、読者の投票も反映される仕組みになっています。しかし、他のメディアに取り上げられにくいことから、認知度には限界がありました。そのため、紙媒体の発行休止と共に、2006年をもってこのイベントも終了しました。

その他の関連情報

知恵蔵に関連する商品やサービスも存在しており、2004年には『ビジネス知恵蔵』、またATOKとの連携による電子辞典『知恵蔵 for ATOK』が出版されています。

一方で、知恵蔵のブックデザインを巡る訴訟問題もありました。1999年にはデザイナーの鈴木一誌が朝日新聞社を相手に訴訟を起こしましたが、最終的には鈴木が敗訴し、その結果が確定しました。

知恵蔵は、長い歴史を持ちながらも時代に応じて変化し続け、今でも多くの人に利用される貴重な情報源であり続けています。

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