イヤハヤ南友

イヤハヤ南友

『イヤハヤ南友』は、永井豪による日本の漫画作品。週刊少年マガジン（講談社）にて1974年から1976年にかけて連載されました。

概要

物語は、いやはて県という架空の県を舞台に、二大財閥である家早（いやはや）家と果扨（はてさて）家の対立を軸として展開されます。主人公は、ひょんなことから家早家に居候することになった家早南友。彼の正体を巡る謎が、物語のもう一つの軸となっています。

物語は当初、エロティックな描写を多用したギャグ[[漫画]]として展開しますが、中盤以降、突如としてシリアスな展開へと移行します。血なまぐさい戦争描写が繰り広げられ、最終的には、作者の過去の作品である『デビルマン』を彷彿とさせる形で物語は幕を閉じます。

あらすじ

いやはて県に拠点を置く、日本有数の財閥である家早家。その当主である吐鉄面は、親戚の南友を海外転勤中の両親に代わり預かることにしました。孫娘のさよこは、同い年の親戚の男の子に興味津々。しかし、現れた南友は、ボロボロのコートをまとい、飼い犬のエサを平らげるという変わり者でした。

「いやはや…なんとも…」とはっきりしない彼の言葉から、祖母のはやは彼こそが南友だと確信し、家に招き入れます。しかし、彼は本物の南友ではありませんでした。家の体面を保つため、吐鉄面は見ず知らずの少年を南友として10年間預かることを決意し、さよこと同じ権金学園に通わせることに。

権金学園は、家早家と対立する果扨家の勢力下にありました。南友の出現は新たな火種となり、学園全体を巻き込む大騒動へと発展していきます。

登場人物

家早家

終戦直後に軍事物資を隠匿し、私物化したことで財を成した日本有数の大財閥。その影響力は絶大で、家早家の悪口を冗談で言っただけで、その家族は生活できなくなるほどです。

家早南友（偽）: 口癖の「いやはや…なんとも…」から南友と間違われ、家早家で生活することになった少年。過去の記憶をあまり持たないホームレス集団のプリンス。その正体は三流天使であり、最後には新世界のアダムとなります。
家早南友（本物）: 家早勿友の息子。海外への引越しを嫌い家早家に入るはずでしたが、結局両親と共にアメリカへ。
家早さよこ: 家早家の孫娘。名門家早家に生まれたことを誇りとするわがままな美少女。権金学園では「イヤハヤ十人衆」を従えています。南友の不思議な魅力に惹かれていきます。最後には十人衆と共に新世界のイブの一人となります。
家早吐鉄面: 家早家の現当主。人間は平等ではなく、名門の誇りを示すべきだと考えています。終盤では自衛隊を買収し、果扨家に対抗します。
家早はや: 吐鉄面の妻。南友を親戚と勘違いした人物。
家早獰猛: 吐鉄面の一人娘で、さよこの母。バイオレンスな性格で、自分の意に沿わない相手は腕力で屈服させます。

果扨家

マフィアなどの非合法組織をバックに、急速に勢力を拡大した成金。家早家からは成り上がり者として見下されています。

果扨動摺: 暴力団グループを傘下に持つ成金。胴下の父。
果扨胴下: 権金学園でさよこと対立する果扨財閥の息子。無能であり、家早家から軽んじられていることに不満を抱いています。ハテサテ十人衆を配下に持つ。
* 大本栄惨坊: 果扨家の参謀格。果扨家を利用して成り上がろうと企んでいます。

イヤハヤ十人衆とハテサテ十人衆

物語には、さよこ率いるイヤハヤ十人衆と、胴下率いるハテサテ十人衆が登場します。それぞれ特殊能力を持つメンバーで構成されており、物語の展開に大きな影響を与えます。

単行本

現在、ほとんどの単行本は入手困難ですが、eBookJapanなどの電子書籍版がダウンロード可能です。

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