イラワジ会戦

イラワジ会戦

イラワジ会戦は、1944年12月から1945年3月28日まで日本軍とイギリス連邦軍の間で繰り広げられた戦闘であり、英軍の勝利によって幕を閉じました。この会戦は、戦局の変化が昭和19年後半に見え始めた頃の出来事であり、特にメイクテーラ会戦を含む重要な戦局でした。

背景

1944年末、日本を取り巻く戦略的状況は厳しくなっていました。ビルマの第15軍は、インパール作戦において大きな戦力を失い、雲南方面では中国遠征軍の攻撃を受けていました。このような状況下で、日本軍はビルマ方面軍の指揮官を刷新し、新たな作戦指導体制を整えました。

南方総軍は、ビルマ方面軍に対して、南部の要所を確保し、中国との連絡線を封じる作戦を指示しました。新体制のもとで、第15軍は英印軍との決戦に向けた準備を進め、持久戦ながらも戦術的には攻勢を取る方針を定めました。

作戦構想

日本軍は、イラワジ河の障害を活用しつつ敵に対して攻勢に転じることを計画しました。攻勢は4つの段階に分けられ、初めはミンム方面から攻撃を行い、その後キャクタロン方面、マンダレー上流地区、そして左翼に位置する敵への攻撃へと継続される予定でした。また、英連邦軍は「キャピタル計画」に基づき、ビルマの反攻を開始する準備を進めていました。

英軍は、シュエポでの決戦を考慮しつつ、マンダレーやイラワジ河における渡河を狙った作戦を展開しました。この時期、戦局は急速に変化しつつあり、双方の軍はそれぞれの戦略をもとに次の行動を決めていました。

戦闘の経過

1944年10月下旬、第31師団はシュエポでの持久戦を指命され、徐々に圧力をかけられる形となりました。第15軍はイギリス軍の攻撃に耐えながら、徐々に後退を余儀なくされ、第33師団がマニワ地区を防衛していました。

1月から3月にかけて、日本軍は再三にわたる攻撃を試みましたが、英軍はそれを上回る火力で応戦し、次第に占領領域を広げていきました。特にメイクテーラにおいては、英軍が優れた機動力を発揮し、迅速に突入してくる敵に対抗策を講じなければならなくなり、それが日本軍の戦局を一層厳しくしました。

終結と評価

最終的に、1945年3月、イギリス軍はメイクテーラを占領し、その結果、元の作戦能力を失った日本軍は大きな痛手を被りました。イラワジ会戦の中での日本軍の統率は揺らぎ、さらに連合軍の戦力の前に敗北を喫しました。その結果、日本軍はビルマ防衛戦の破綻を余儀なくされ、戦後の日本国内外の状況にも影響を及ぼしました。

この会戦の過程は、両軍の司令官の戦略や判断が結果に直結することを如実に示す出来事でもありました。特に、スリム中将は英軍の士気を上げ、戦局を有利に進める一方、木村中将の指揮には多くの批判が寄せられました。

イラワジ会戦の結果、ビルマ方面軍は壊滅的な打撃を受け、その後の日本軍の戦局に大きな影響を与えることとなりました。

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