イランの議会

イラン議会（マジレス）のすべて：歴史、権限、そして現在

イランの立法府であるマジレス（議会）は、イランの政治において中心的な役割を担っています。本稿では、マジレスの歴史、権限、そして最新の動向について詳細に解説します。

イラン立憲革命とマジレスの誕生

1906年のイラン立憲革命により、マジレスは国民議会として誕生しました。当初は上院と下院から成る二院制でしたが、1979年のイラン・イスラム革命後は一院制となり、現在に至ります。革命以前のマジレスは、1951年の石油国有化法案や1967年の家族保護法案など、歴史的に重要な法案を可決しました。家族保護法案は、女性に多くの権利を付与した画期的なものでした。また、1963年にはシャーの白色革命の一環として、女性に選挙権・被選挙権が認められました。しかし、この改革は保守派の反発を招き、社会不安を引き起こす一因ともなりました。

イスラム共和国体制下のマジレス

イラン・イスラム革命後、マジレスは上院を廃止し、一院制となりました。1989年の憲法改正で正式名称は「イラン・イスラム議会」に変更されました。現在、マジレスは290議席で構成され、そのうち5議席は非ムスリムの宗教的少数派に割り当てられています。議員の任期は4年で、立候補には監督者評議会の資格審査を通過する必要があります。

マジレスの主な権限は、法案の審議・可決、政府への不信任決議、国家予算の承認などです。政府提出法案が中心ですが、議員立法も可能です。可決された法案は、監督者評議会の承認を得て初めて法律として施行されます。そのため、マジレスの権限は、アメリカ合衆国の議会と比較すると限定的です。

マジレスは、革命前にイラン上院として使用されていた建物を議場としていましたが、2004年にはテヘラン中心部のバハーレスターン広場に新議事堂が完成し、移転しました。

マジレスと国際関係

マジレスの活動は、イランの国際関係にも影響を与えます。例えば、2011年にはイギリス大使の追放を決める法案が可決されました。これは、イギリスのイラン核開発への疑念や、イランの銀行とイギリス金融機関との取引停止措置などが背景にあります。

最新の選挙と今後の展望

2017年に行われた大統領選挙では、ロウハニ大統領が再選を果たしました。これは、イランの欧米諸国との関係の行方を占う重要な選挙でした。

まとめ

マジレスは、イランの政治システムにおいて重要な役割を担う一方、監督者評議会の存在など、権限には制限があります。イランの政治を理解するには、マジレスの歴史と権限、そしてその活動状況を把握することが不可欠です。今後、イランの政治情勢や国際関係の動向によって、マジレスの役割はますます重要性を増していくでしょう。 今後のマジレスの動向、特に国際関係への影響に注目していく必要があります。 また、国内政治における保守派と改革派の勢力争いも、マジレスの活動に大きく影響を与えると考えられます。

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