イリアンジャヤ

イリアンジャヤの概要

イリアンジャヤ（Irian Jaya）は、インドネシアの一部であり、ニューギニア島の西側を占める地域です。この地域は、面積約420,540平方キロメートル、2020年の国勢調査では約5,437,775人の住民を抱えています。現在の行政区画にはパプア州を始め、西パプア州、中部パプア州、山岳パプア州、南パプア州、南西パプア州の6つの州が存在します。これらの州は、近年の分割によって形成されました。この地域は、石油や天然ガス、銅、金などの豊富な天然資源が埋蔵されており、経済的なポテンシャルを秘めています。

歴史的背景

イリアンジャヤの歴史は非常に古く、約4万年前にはメラネシア系の住民がこの地に移り住んでいたとされています。その後、長い間、原始的な部族社会が営まれました。19世紀になると、オランダが西海岸に商館を設け、この地域への支配を強めました。1885年には、オランダ、イギリス、ドイツの間でニューギニア島が分割され、西半分はオランダ領ニューギニアとして定められました。

1942年から1944年にかけては、日本軍がこの地域の北部を占領する時期もありましたが、戦後、地域の帰属問題は複雑な過程を経て解決を迎えます。1949年、インドネシア独立戦争の終結後のハーグ協定により、この地域の帰属問題は難航し、オランダ領ニューギニアのまま将来の解決に委ねられることになりました。その後、オランダは1952年にパプア人の自治権を認める動きを見せましたが、インドネシアとの対立は深刻化していきました。

スカルノ大統領は、1960年にオランダとの国交を断絶し武力解決を示唆しましたが、同時に国連にも提訴しました。1961年にオランダが西パプア共和国の独立を承認したことを受け、インドネシア国軍は進攻を開始しました。この時期、アメリカはソ連の影響力拡大を懸念し、調停を試みました。その結果、1962年には国連の管理下に置かれることとなり、翌年にインドネシアに引き渡されました。

1969年には、国軍の管理下で住民投票が行われましたが、その過程は操作されていたと見なされ、結果としてパプア人の意思を無視した形で西パプアはインドネシアに併合されました。これに伴い、イリアンジャヤ州が設置され、傀儡的な政府が形成されました。この名称の「イリアン」はビヤック語で「東」、また「ジャヤ」は「偉大な」という意味です。

現在の状況

イリアンジャヤでは、独立を求める運動が継続しており、パプア人の間でインドネシアからの独立を訴える声が上がっています。1970年には、地域は軍事作戦地域に指定され、インドネシア政府による強圧的な措置が取られることになりました。また、120万人以上のインドネシア人がこの地に移住し、植民地化の様相を呈しています。

近年では、2000年に西パプア住民大会が新国家の樹立を宣言し、地域情勢はさらに緊迫しております。2003年の分割により西イリアンジャヤ州が設置され、その後に西パプア州に改称されました。そして2022年には、さらに州が分割されることになり、現在6州体制となっています。これらに伴い、独立運動は活発化し、国際的な関心も集まっています。

イリアンジャヤの未来は、地域の歴史的な背景と住民の願いによって大きく左右されることでしょう。

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