イリノイ大学/NCSAオープンソースライセンス

イリノイ大学/NCSAオープンソースライセンス (UIUCライセンス) について

イリノイ大学/NCSAオープンソースライセンス（University of Illinois/NCSA Open Source License, UIUCライセンス）は、MITライセンスと三条項BSDライセンスを基盤とする、パーミッシブなオープンソースライセンスです。このライセンスは、2つの既存のライセンスの良いところを組み合わせ、より明確で簡潔なライセンスとして設計されました。UIUCライセンスは、イリノイ大学の委員会によって2001年に策定され、米国立スーパーコンピュータ応用研究所 (NCSA) とソフトウェアコミュニティにおける新たなライセンス基準となることを目指しました。2002年3月28日には、オープンソース・イニシアティブ（OSI）によってオープンソースライセンスとして認定されています。

UIUCライセンスの特徴

UIUCライセンスは、コピーレフトな自由ソフトウェアライセンスとは異なり、プロプライエタリソフトウェアへの組み込みが可能です。また、GNU GPLの全てのバージョンと互換性があります。この柔軟性から、LLVM、Clang、LLDBなどの著名なプロジェクトで採用されています（バージョン8.0.1まで）。

ライセンス条文

以下は、UIUCライセンスのテンプレートです。実際に使用する際は、``、``、``、``、`` の箇所を適切な値で置き換える必要があります。


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他のライセンスとの比較

UIUCライセンスは、MITライセンスやBSDライセンスと同様に、テンプレートベースのライセンスです。

MITライセンスとの比較:
ライセンス付与の基本はMITライセンスに基づいています。しかし、UIUCライセンスでは、ソフトウェアだけでなく、関連するドキュメントにもライセンスが適用される点を明確にしているため、BSDライセンスよりも権利の範囲が具体的です。
三条項BSDライセンスとの比較:
ライセンス条項は、三条項BSDライセンスとほぼ同一です。著作権表示やライセンス条文の再配布、派生物での開発者名による宣伝の禁止などが含まれています。UIUCライセンスは、ソースコードとバイナリの配布を区別しないMITライセンスに比べ、より正確な規定となっています。

AFLへの影響

UIUCライセンスは、OSIのローレンス・ローゼンがアカデミック・フリー・ライセンス (AFL) を作成するきっかけの一つとなりました。AFLは、BSDライセンス、MITライセンス、UIUCライセンスよりも複雑な構造を持ち、特許や商標法への対策を盛り込んでいます。

まとめ

UIUCライセンスは、その柔軟性と明確さから、多くのプロジェクトに採用されている実績のあるオープンソースライセンスです。プロプライエタリソフトウェアへの組み込みが可能でありながら、オープンソースコミュニティの発展にも貢献できる、バランスの取れたライセンスと言えるでしょう。

関連情報

関連項目
自由ソフトウェア
オープンソース
外部リンク
Illinois Open Source License - ライセンス原文
* イリノイ大学/NCSAオープンソース・ライセンス - オープンソース グループ・ジャパンによる日本語参考訳

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