イルムス

イルムスとは

イルムス（株式会社イルムスジャパン、英: ILLUMS JAPAN Inc.）は、デンマークのインテリアショップ「イルムスボリフス」をルーツに持ち、北欧の美しいデザインや豊かなライフスタイルを日本に紹介・展開する企業です。スカンジナビアモダンを基調としたインテリア雑貨や家具、生活用品の販売、そして住空間全体のコーディネート提案を通じて、都市生活者の暮らしに質の高いエッセンスを加えています。ブランドのトレードマークである王冠と、「PURVEYOR TO HER MAJESTY THE QUEEN OF DENMARK」という文字は、デンマーク王室御用達であることの確かな証であり、その信頼性と品質の高さを物語っています。

日本での展開

日本におけるイルムスの歴史は、1998年10月にデンマークのロイヤルスカンジナビアグループと日本の西武百貨店が業務提携を発表したことから始まりました。翌年の1999年4月には、池袋西武の旧セゾン美術館があった場所に、記念すべき日本1号店「イルムス館」がオープン。これを皮切りに、主にミレニアムリテイリング傘下の西武やそごうといった百貨店を中心に店舗ネットワークを広げていきました。2001年には日本法人である株式会社イルムスジャパンが設立され、事業基盤を強化。2003年5月には伊藤忠商事が資本参加するなど、経営体制も変遷を経て、現在はインスタイルグループの子会社として活動しています。

日本のイルムスは、単に雑貨や家具を販売するだけでなく、商品の企画・開発から、顧客への具体的なインテリアコーディネート提案、さらには空間全体のインテリアデザイン企画・設計といった幅広い業務を手掛けています。大手ホームセンターのようなマスマーケット向けとは異なり、厳選されたアイテムを取り扱うセレクトショップとしての性格が強く、質の高い北欧デザインを求める層から支持を得ています。また、主力業態の他に、子供向けのライフスタイルを提案する「イルムスキッズ」や「イルムスエンターテイイニング」、異なるコンセプトを持つ「スカンジナビアン・インテリア・BYイルムス」といった多様な業態も展開し、変化する市場ニーズに対応しています。

デンマーク本国「イルムスボリフス」

イルムスの起源であるデンマークの「イルムスボリフス」は、首都コペンハーゲンの目抜き通りであるストロイエ通りに、白亜の美しい本店ビルを構えています。1925年に設立されて以来、「BO」（デンマーク語で「暮らし」の意）という店名でスタートし、一貫して優れたモダンインテリアデザインの専門店としての道を歩んできました。その品揃えは、家具を中心としたホームアクセサリーが中心であり、国際的に注目される新進気鋭のデザイナー作品から、北欧家具史に名を刻む巨匠たちの名作まで、厳選された幅広いコレクションを展開しています。イルムスに自身の作品が並ぶことはデザイナーにとって大きな誇りであり、また顧客は本店のショーウィンドウを見てシーズンのインテリアトレンドを把握し、自身の住まいに取り入れることを楽しみにしていると言われるほど、デンマークのホームファニシング文化において特別な存在感を放っています。

イルムスボリフスの歴史をたどると、1941年には百貨店を経営するイルム家などに吸収され、現在の「イルムスの家」を意味する店名に改称されました。1961年には、著名な建築家ケイ・コルビンの設計により店舗が大幅に改修され、中央の吹き抜けやエスカレーター、自然光を取り込む工夫などが施された、現在の特徴的な建築空間が誕生しています。現在の店舗は4フロア構成で、約4000平方メートルの広さを誇ります。1985年にはロイヤルコペンハーゲングループ（現在のロイヤルスカンジナビアグループ）の一員となり、ロイヤル・コペンハーゲンやジョージ・ジェンセンといったデンマークを代表するブランドと共に活動するようになりました。これにより、ストロイエ通りのアマートゥ広場周辺には、「イルムスボリフス」をはじめ、「ホルムガード」、「ロイヤルコペンハーゲンポーセリン」、「ロイヤル コペンハーゲンアンティーク」、「ジョージ ジェンセン」といったロイヤルスカンジナビアグループの主要店舗が隣接して立ち並び、デンマークデザインの粋を集めたエリアとして、地元の人々や観光客に親しまれています。

日本とデンマーク、それぞれの地で独自の進化を遂げながらも、イルムスはその根幹に流れるスカンジナビアデザインの哲学と、豊かな暮らしを提案する理念を大切にし続けています。厳選されたアイテムと専門的な知識を通じて、人々の住空間を彩り、日々の生活をより豊かにする役割を担っています。

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