イルメナイト

チタン鉄鉱 (Ilmenite)

チタン鉄鉱は、酸化鉱物に属する鉱物であり、その化学組成はFeTiO3、結晶系は三方晶系です。この鉱物は、チタン鉄鉱グループに属し、重要な資源として注目されています。チタンはさまざまな産業での利用が期待されており、特に鉄や酸素の製造に役立ちます。

産出地

チタン鉄鉱は、主にロシア、カナダ、スリランカで採取されます。特に2005年にアメリカ航空宇宙局（NASA）が発表した調査によると、月面にもチタン鉄鉱が豊富に存在しています。この発見は、宇宙探査においても役立つ資源としての可能性を示唆しています。

性質・特徴

この鉱物は、弱い磁性を持ち、通常は黒色または灰色をしています。自然界では、火成岩や変成岩に多く含まれていますが、特に海岸の砂浜からの採掘が一般的です。チタン鉄鉱は、大きな塊として存在することもありますが、特に砂浜では0.1mmから0.2mm程度の小さな粒として見つかります。また、磁鉄鉱と混在していることが多く、磁石を使って容易に分離可能です。

用途・加工法

採掘されたチタン鉄鉱の大部分は、白色顔料の製造に利用されます。この顔料は、絵画やコーティング、プラスチックなど多岐にわたる用途があります。二酸化チタンの基となるため、非常に重要な産業資源とされています。

チタン鉄鉱グループ

チタン鉄鉱は、いくつかの関連する鉱物と共に存在します。以下がその主なメンバーです：

• - チタン鉄鉱 (Ilmenite): FeTiO3
• - ゲイキー石 (Geikielite): MgTiO3
• - パイロファン石 (Pyrophanite): MnTiO3
• - エカンドリュー石: (Zn, Fe²⁺, Mn²⁺)TiO3

これらの鉱物は、化学組成や物理的性質において異なる特徴を持ち、それぞれが特定の産業分野において重要な役割を果たしています。

参考文献

1. 松原聰『日本の鉱物』学習研究社〈フィールドベスト図鑑〉、2003年。
2. 松原聰、宮脇律郎『日本産鉱物型録』東海大学出版会〈国立科学博物館叢書〉、2006年。

関連項目

• - 鉱物
• - 酸化鉱物
• - 鉱物の一覧
• - 造岩鉱物
• - 鉱石鉱物

チタン鉄鉱は、その多様な産出地域や特性から、地球環境において非常に重要な鉱物の一つとして位置付けられています。

もう一度検索