イロリン

イロリン

イロリン（Ilorin）は、西アフリカに位置するナイジェリア連邦共和国の中央部に位置するクワラ州の州都であり、同州で最も人口の多い都市です。2011年時点の推計人口は約90万8千人に達しており、地域の政治、経済、文化の中心地としての役割を担っています。

歴史

イロリンは、もともとヨルバ人の都市国家の一つとして栄えました。この地域はかつて強力なオヨ王国（Oyo Empire）の影響下にありましたが、19世紀初頭に北部で台頭したソコト帝国（Sokoto Caliphate）と同盟を結ぶという戦略的な選択をしました。イロリンはソコト帝国からフラニ人の戦士を雇い入れ、その軍事力を背景にオヨ王国からの独立を果たし、さらには南進して1830年にはかつての宗主国であったオヨ王国を滅亡させるという歴史的な転換点を迎えました。その後、イロリンは独自の首長国として発展しますが、19世紀末にはイギリスによる西アフリカへの勢力拡大に直面します。イロリンはイギリスの侵攻に対して抵抗を試みますが、1897年にイギリスの支配下に入り、植民地時代を通じてその体制に組み込まれていきました。

地理と行政

クワラ州の州都であるイロリンは、ナイジェリアを構成する主要な都市の一つです。都市の行政区画は、Ilorin East、Ilorin South、Ilorin Westの三つの地方政府区域（Local Government Area）に分けられています。

住民

イロリンの住民構成においては、ヨルバ人が主要な民族グループを占めています。歴史的にヨルバ文化の中心地の一つであり、現在もその影響が色濃く残っています。

気候

イロリンの気候は、ケッペンの気候区分ではサバナ気候（Aw）に分類されます。年間を通じて気温が高く、熱帯の特徴を示します。気候は大きく乾季と雨季に分かれます。乾季は通常11月から3月前半にかけて訪れ、この期間は降水量が非常に少なく、乾燥した日々が続きます。特に乾季の終わりにあたる2月から3月にかけては、日中の気温が35℃前後に達することが多く、年間で最も暑い時期となります。一方、雨季はおよそ7ヶ月間続き、一貫して多くの雨が観測されます。特に7月から9月にかけては曇天が続くことが多く、日照時間が少なくなるため、比較的過ごしやすい涼しい日が多くなります。

交通

イロリンには、イロリン国際空港（Ilorin International Airport）があり、空路でのアクセスが可能です。この空港は国内外への接続を提供しており、都市の交通インフラにおいて重要な役割を担っています。

教育

イロリンは教育機関も充実しており、主要な高等教育機関としてイロリン大学（University of Ilorin）とAl-Hikmah Universityがあります。これらの大学は、地域およびナイジェリア全体の教育水準向上に貢献しています。

スポーツ

スポーツ分野では、特にサッカーが盛んです。クワラ・ユナイテッドFC（Kwara United F.C.）やABS F.C.といったプロサッカークラブが本拠地としており、国内リーグで活動しています。

主な出身者

イロリンからは、国際政治学者であるイブラヒム・アッボーラ・ガンバリ氏をはじめ、サッカー選手のタイウォ・アウォニイ氏、ジュウォン・オシャニワ氏、オリグバッジョ・イスマイラ氏など、様々な分野で活躍する著名人が輩出されています。

関連項目

クワラ州
イロリン首長国

これらの項目は、イロリンの歴史や地理的背景をより深く理解する上で関連が深いです。

• ---

もう一度検索