日照時間

日照時間についての解説

日照時間の定義

日照時間とは、太陽光が地表に直接当たっている時間数を表したもので、一般には気象台やアメダスなどの観測機器を用いて測定されます。具体的には、日照計で測定される直射日光の強さが120W/m²以上である時間を日照時間と定義します。この基準未満では、物体に影ができない程度の光の弱さがあります。

日照時間の測定方法

日照時間を記録するための主な装置には、以下のようなものがあります。

太陽追尾式日照計

太陽追尾式日照計は、太陽の直射光を感知し、自動的に太陽を追尾しながら観測を行います。これにより、常に太陽の方向を向いて測定を続けることが可能です。

回転式日照計

この装置は、主軸を地平面から傾けて設置し、反射鏡を回転させることによって光センサーで直射光の強さを測定します。実際には、アメダスで広く利用されています。

太陽電池式日照計

この方式は、日照計検定時に測定した電池の出力と日照量の関係を基に、日照の有無を判断します。メンテナンスが少なく、自動観測に適しています。

その他の測定装置

過去には、カンベル式日照計やジョルダン式日照計といった光に対する物理的な反応を利用した装置も使用されていました。これらは電気的部品を必要としないため、設置が容易ですが、人手によるメンテナンスが必要です。

日照時間が多い地域

日照時間は、降水量が少ない地域でより多く観測される傾向があります。特に、亜熱帯高圧帯や大陸の内陸部に位置する乾燥した気候地域では、日照時間が長いです。一方、温帯湿潤気候や熱帯雨林気候などでは日照時間が少ないことが多いです。

日本各地の日照時間

日本国内の日照時間は、年間で約1500時間から2200時間程度に分布し、平均すると約1850時間です。これは世界平均約2500時間に比べて短い値です。日本の気候的特徴からくる影響です。

季節ごとの日照時間の変化

• - 春季: 春分の日を過ぎると日照時間は増加し、特に北日本では5月から6月に最も長くなります。
• - 夏季: 夏至を挟む1〜2ヶ月間は、梅雨の影響で日照時間が短くなることが多いですが、梅雨明け以降は日照時間が増加します。
• - 秋季: 秋分を過ぎると日照時間は減少し、特に関東、東日本では秋の雨が日照時間に影響します。
• - 冬季: 冬至を挟み、日本海側では日照時間が極端に短くなる一方で、太平洋側はそれほどの影響を受けず、場合によっては増加することもあります。

平年との比較

気象庁では、日照時間が平年と比較して多い場合は「多照」、少ない場合は「寡照」と表現し、どちらの状態でもない場合は「平年並」とします。これにより、日照時間の変動を客観的に把握することができます。

関連項目

• - 太陽
• - 日照権
• - 日影図
• - 異常気象

日照時間の計測やその変動は、気象学だけでなく、農業やエネルギー生産など多くの分野において重要な情報となります。

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