イワイチョウ

イワイチョウ（岩銀杏）について

イワイチョウ（学名：Nephrophyllidium crista-galli）は、ミツガシワ科に分類される多年草です。別名としてミズイチョウとも呼ばれます。この植物は、イワイチョウ属という単独の属を形成しており、1属1種という珍しい特徴を持っています。

かつてはFauriaという属名で知られていましたが、国際植物分類学会（IAPT）の決定により、現在ではNephrophyllidiumが正式な属名とされています。

特徴

イワイチョウは、花茎の高さが20cmから40cm程度に成長します。根元から生える葉は、厚みのある腎臓形で、葉柄を持ち、縁には鋸歯が見られます。秋になると葉は美しく黄葉します。花期は6月から8月で、花茎の先端に白色の5裂した花を数個咲かせます。花弁が反り返る特徴的な形状をしています。

分布と生育環境

イワイチョウは、南千島や日本の北海道、本州の中部以北に分布しており、多雪地域で見られる亜高山帯から高山帯の湿原などに自生します。群生することが多く、その美しい姿は多くの登山者に愛されています。基準標本は八甲田山で採取されたものです。

学名の由来

属名のNephrophyllidiumは、ギリシア語のnephron（腎臓）とphyllon（葉）に由来しており、イワイチョウの腎臓形の葉を指しています。種小名のcrista-galliは、ラテン語で「ニワトリのとさか」を意味し、花弁の形状が鶏のとさかに似ていることから名付けられました。和名のイワイチョウは、葉の形がイチョウの葉に似ていることに由来します。

ギャラリー

[イワイチョウの画像1]

[イワイチョウの画像2]

参考文献

* 豊国秀夫『日本の高山植物』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1988年9月、216-217頁。ISBN 4-635-09019-1。


イワイチョウは、その独特な形態と生育環境から、自然愛好家や植物学者にとって非常に興味深い植物です。特に、高山植物特有の美しさは、多くの人々を魅了してやみません。

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