インウッド (マンハッタン)

インウッド：マンハッタン最北端の緑豊かな秘境

インウッドは、ニューヨーク市マンハッタン区、マンハッタン島の最北端に位置する独特な魅力を持つ地区です。ハーレム川、ハドソン川、スパイテン・ダイヴィル川に囲まれた地理的特徴と、豊かな自然が残る公園が点在する風景は、マンハッタンの喧騒とは一線を画す、静かで落ち着いた雰囲気を作り出しています。

地理的特徴

インウッドは、東をハーレム川、西をハドソン川、北をスパイテン・ダイヴィル川とハーレム川運河、そして南をフォート・トライオン・パーク、ダイクマン・ストリート、フェアビュー・アベニューによって区切られています。ただし、南端の境界については情報源によって見解が異なる場合があります。インウッドはマンハッタン島で最も北に位置する地区ですが、マンハッタン区全体としては、さらに北にマーブル・ヒル地区が存在します。マーブル・ヒルは、かつてはマンハッタン島の一部でしたが、ハーレム川の付け替え工事によって本土と陸続きになり、現在はブロンクス区に属しています。

自然と景観

地区の大部分は森林公園が占めており、都会の中でありながら豊かな自然を満喫できるのがインウッドの大きな魅力です。インウッド・ヒル・パークやアイシャム・パークなどの公園は、四季折々の美しい景観を提供し、住民の憩いの場となっています。また、三方を川に囲まれているため、水辺の景色も楽しむことができます。

交通

インウッドは、ブロードウェイとフォート・ジョージ・ヒルを通じて、南側のワシントンハイツ地区と繋がっています。地下鉄A系統および1系統が地区内を走っており、交通の便も比較的良好です。マンハッタン島内では一番大きな数字名の通りである220丁目がこの地区を走っています。

インウッド大理石

インウッドは、かつて「インウッド大理石」と呼ばれる白い軟質の変成岩の産地でした。17世紀半ばから18世紀後半にかけて、建築資材として広く利用されましたが、腐食しやすい性質のため、次第に他の材料に取って代わられました。インウッド大理石は、ロウアー・マンハッタンやワシントンD.C.の政府関連施設の建設にも用いられました。現在でも、アイシャム・パーク周辺の擁壁にその一部を見ることができます。

歴史

アメリカ独立戦争中、ニューヨークがイギリスの支配下にあった時代には、ヘッセン人傭兵の兵舎が現在の201丁目から204丁目のPayson Avenue沿いに設けられていました。これらの遺跡は、1914年に考古学者兼歴史学者のReginald Boltonによって発掘されました。

ランドマーク

インウッド・ヒル・パーク
アイシャム・パーク
ダイクマンハウス

インウッドと本土を結ぶ橋

スパイテン・ダイヴィル橋
ヘンリー・ハドソン橋
ブロードウェイ橋
* ユニバーシティ・ハイツ橋

インウッドは、マンハッタンの喧騒から離れ、豊かな自然と歴史的な背景を持つ魅力的な地区です。公園での散策や歴史的な建造物の見学など、様々な楽しみ方ができるでしょう。

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