インクレディブル・ハルク (映画)

インクレディブル・ハルク (2008)

『インクレディブル・ハルク』（原題: The Incredible Hulk）は、マーベル・コミックのキャラクター「ハルク」を基にした2008年のアメリカ映画です。「マーベル・シネマティック・ユニバース」（MCU）の第2作として、マーベル・スタジオが製作し、ユニバーサル・ピクチャーズが配給しました。監督はルイ・レテリエ、脚本はザック・ペンが担当。エドワード・ノートン、リヴ・タイラー、ティム・ロスなどが出演しています。

概要

2003年の映画『ハルク』の評価が低かったため、マーベル・スタジオは権利を再取得しました。ルイ・レテリエ監督は、コミックや1978年のテレビシリーズ『超人ハルク』に近い内容を目指し、脚本家のザック・ペンと共に脚本を執筆。エドワード・ノートンがブルース・バナー役として参加し、脚本をリライトしました。この映画は、2003年の作品とは異なるリブート作品として位置づけられました。

撮影は主にカナダのトロントで行われ、ニューヨークやリオデジャネイロでも撮影されました。視覚効果にはモーションキャプチャーとCGが使用され、700以上のショットが作成されました。

2008年6月8日にプレミア上映され、6月13日に米国で公開。評価は概ね良好で、前作からの改善が評価されました。しかし、興行収入は2億6480万ドルと、MCU作品の中では最も低い記録となりました。エドワード・ノートンは最終編集を巡りマーベルと対立し、2012年の『アベンジャーズ』以降はマーク・ラファロがブルース・バナー役を演じることになりました。

ストーリー

ブルース・バナーは、兵士強化実験中にガンマ線を浴び、緑色の巨人ハルクに変身する体質になってしまいます。軍から追われる身となった彼は、ブラジルに潜伏し、変身を制御する方法を探していました。しかし、血液が混入したジュースが原因で軍に居場所を突き止められ、エミル・ブロンスキー率いる特殊部隊と交戦。ブロンスキーはハルクの力に魅せられ、自らも実験を受け怪物アボミネーションへと変貌します。

ブルースはアメリカに戻り、恋人のベティ・ロスと再会。協力者と共に治療を試みますが、ブロンスキーが再び現れ、街を破壊し始めます。ブルースは再びハルクとなり、アボミネーションとの激闘の末、勝利を収めます。

再び逃亡生活を送るブルースでしたが、変身をコントロールできるようになりつつありました。一方、ロス将軍はトニー・スタークからチームへの誘いを受けます。

登場人物

ブルース・バナー / ハルク: エドワード・ノートン
ベティ・ロス: リヴ・タイラー
エミル・ブロンスキー / アボミネーション: ティム・ロス
サディアス・E・"サンダーボルト"・ロス: ウィリアム・ハート
* サミュエル・スターンズ: ティム・ブレイク・ネルソン

他のMCU作品との関連

本作はMCUの第2作であり、『アイアンマン』と世界観を共有しています。劇中にはスターク社製の兵器が登場し、ラストシーンではトニー・スタークが登場します。また、キャプテン・アメリカのスーパーソルジャー計画との関連も示唆されています。

本作の設定は後のマーベル作品にも引き継がれていますが、『アベンジャーズ』以降はブルース役がマーク・ラファロに交代したため、本作のキャストが他のマーベル作品に出演することはしばらくありませんでした。しかし、2016年の『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』にはウィリアム・ハート演じるサディアス・ロスが登場し、MCUとの繋がりが再び強まりました。

まとめ

『インクレディブル・ハルク』は、ハルクの苦悩とアクションを描いた作品であり、MCUの初期作品として重要な位置を占めています。エドワード・ノートン版ハルクは本作のみの登場となりましたが、その存在感は強く、MCUファンにとって記憶に残る作品の一つです。

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