ベティ・ロス

エリザベス・ロス（ベティ・ロス）

エリザベス・"ベティ"・ロス（Elizabeth "Betty" Ross）は、マーベル・コミックに登場する重要なキャラクターです。彼女は、サディアス・"サンダーボルト"・ロス将軍の娘であり、ブルース・バナー/ハルクの恋人として広く知られています。しかし、彼女の物語はそれだけに留まらず、ハーピー、レッド・シー・ハルク、レッド・ハーピーといった様々な姿に変貌を遂げ、マーベル・ユニバースにおいて複雑な運命を辿ります。

発行履歴

ベティ・ロスは、1962年3月の『インクレディブル・ハルク』第1号で、スタン・リーとジャック・カービーによって創造されました。当初はブルース・バナーのロマンスの相手として描かれましたが、時代と共にそのキャラクターは進化を遂げます。

1980年代には、ジョン・バーンによってより対立的な女性として描かれ、1989年の『The Official Handbook of the Marvel Universe Update '89』では、ベティ・ロス・バナーとして再登場しました。

2009年には、『ハルク』vol.2第15号で、ジェフ・ローブとエド・マクギネスによってレッド・シー・ハルクとして登場し、新たな展開を見せました。ローブは、このキャラクターがハルクに新たな側面をもたらすと述べています。

その後、『カオス・ウォー』や『Fear Itself』などのクロスオーバーイベントにも登場し、スーパーヒーローチーム“ディフェンダーズ”の一員としても活躍しました。また、『レッド・シー・ハルク』として自身のシリーズも展開され、人類への脅威を確信する彼女の葛藤が描かれました。

キャラクター経歴

オリジン

ベティ・ロスは、厳格な父、サディアス・ロス将軍の元で育ちました。ガンマ爆弾開発プロジェクトに立ち会った際、主任科学者のブルース・バナーに惹かれます。しかし、バナーがハルクに変身する場面を目撃し、彼の運命に深く関わることになります。

ハーピー

MODOKによって拉致され、ガンマ線を浴びせられたベティは、狂気じみた合成生物ハーピーに変貌してしまいます。ハーピーとなった彼女はハルクを襲いますが、後にバナーによって治療され、元の姿に戻ります。

レッド・シー・ハルク

『Fall of the Hulks』のストーリーで、冷凍保存されていたベティは、リーダーとMODOKによってレッド・シー・ハルクとして復活させられます。しかし、サムソンによって洗脳され、攻撃的な人格となってしまいます。レッド・シー・ハルクとなった彼女は、父であるレッドハルクと対峙し、激しい戦いを繰り広げます。

レッド・ハーピー

『Avengers: No Surrender』では、赤いハーピー、レッド・ハーピーに変身し、再びハルクと対峙します。この姿では、彼女はより攻撃的で、ハルクとの関係も悪化していきます。

パワー・能力

ハーピー

ハーピーとしてのベティは、超人的な怪力、スタミナ、スピード、耐久力、嗅覚を持ち、ハルクと互角に戦うことができます。また、背中の翼で飛行し、手から核エネルギーの爆発を放つことができます。

レッド・シー・ハルク

レッド・シー・ハルクとしてのベティは、巨大な超人的な強さ、スピード、スタミナ、耐久力を持ち、致命的な傷からも回復できるヒーリング・ファクターを持っています。また、ガンマ線を吸収する能力や、巨大な剣「ビッグ・アス・ソード」を操る能力も持っています。

その他のバージョン

『ヒーローズ・リボーン』や『ハウス・オブ・M』、『アルティメット・マーベル』など、様々な異なる世界線の物語にもベティ・ロスが登場しています。それぞれの世界で、彼女は異なる役割を担い、異なる運命を辿ります。

MCU版

マーベル・シネマティック・ユニバース（MCU）では、『インクレディブル・ハルク』でリヴ・タイラーがベティ・ロスを演じました。また、『ホワット・イフ...?』では、ステファニー・パニセロが声を担当しました。

キャラクター像

ベティ・ロスは、一途で穏やかな女性でありながら、強情な一面も持ち合わせています。ブルース・バナーを深く愛し、彼の運命に翻弄されながらも、常に彼を支えようとします。しかし、彼女自身もまた、様々な苦難を経験し、変貌を遂げていく中で、その内面は複雑に変化していきます。

ベティ・ロスの物語は、愛、喪失、変身、そして自己の探求といったテーマを描き出し、多くの読者の心を捉えてきました。彼女は、マーベル・ユニバースにおいて、決して忘れられることのない重要なキャラクターの一人です。

もう一度検索