インスタント沼

インスタント沼

『インスタント沼』は、2009年に公開された三木聡監督による日本映画。骨董店「電球商会」を舞台に繰り広げられる、奇妙で温かい人間模様を描いたヒューマンコメディ作品です。

あらすじ

雑誌編集者の沈丁花ハナメは、雑誌の廃刊と母親の昏睡という不運に見舞われます。母親が倒れた池から発見された古い手紙から、自身の出生の秘密を知ったハナメは、実の父親かもしれない沈丁花ノブロウを探し始めます。

ノブロウは「電球商会」という骨董店を営み、「電球」という愛称で呼ばれていました。いい加減な性格のノブロウに戸惑うハナメでしたが、彼や店に出入りするパンク青年ガスとの交流を通して、骨董の世界に興味を持ち始めます。そして、アパートを改装して自ら骨董店を開業することに。

商売はなかなか上手くいきませんが、ノブロウから「物事に行き詰まったら水道の蛇口をひねれ」という教えを受けます。ハナメは、店の洗面台や風呂桶で水を溢れさせないようにするゲームに挑戦し、成功を収めます。やがて店は繁盛し、ハナメは百万円を手に入れます。

ある日、ノブロウは沈丁花家代々の蔵の鍵をハナメに百万円で売りつけます。ガスと共に蔵を探し当てたハナメでしたが、蔵の中には宝の代わりに大量の砂が。納得のいかないハナメは、ダンプカーで砂を運び出し、母親の家の近くに投棄。ホースで水をかけ、即席の沼を作り上げます。

沼が完成した直後、巨大な竜が出現し空へと消えていくという奇妙な光景を目撃。その後、母親は昏睡から目を覚まし、ハナメはガスと共に働く道を選びます。

キャスト

沈丁花ハナメ：麻生久美子
沈丁花ノブロウ（電球）：風間杜夫
ガス：加瀬亮
沈丁花翠：松坂慶子

脇を固める笹野高史、ふせえり、白石美帆、宮藤官九郎、松重豊、岩松了など、個性豊かな俳優陣も見どころです。

スタッフ

監督・脚本：三木聡
音楽：坂口修
主題歌：YUKI「ミス・イエスタデイ」

三木聡監督独特のユーモアセンスと、YUKIの主題歌が作品を彩ります。

その他

この映画のタイトルにもなっている「インスタント沼」は、三木聡が構成を担当していたバラエティ番組『北半球で一番くだらない番組』から生まれたネタです。また、麻生久美子、ふせえり、岩松了、江口のりこは、三木聡が脚本・監督を務めたドラマ『時効警察』シリーズでも共演しています。

外部リンク

公式サイト
allcinema
KINENOTE
* IMDb

『インスタント沼』は、日常に疲れた心を癒し、クスッと笑える、そんな温かい気持ちになれる作品です。

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