インターシティー225

インターシティー225 (InterCity 225)について

インターシティー225は、イギリスの鉄道史において重要な役割を果たした高速鉄道車両です。この列車は、91形電気機関車とマーク4客車で構成されており、1990年にロンドン・キングス・クロス駅とエディンバラ・ウェイヴァリー駅を結ぶ路線で運行を開始しました。

「225」という名称は、この列車の設計上の最高速度が225km/hであることに由来しています。しかし、実際の営業運転では、線路の信号システムの制約から最高速度は200km/hに制限されています。

歴史

インターシティー225は、イギリス国鉄時代の1990年に東海岸本線で運行を開始しました。ロンドンとエディンバラ間の約630kmの距離を、約4時間半で結ぶことができました。この列車は、ロンドン・キングス・クロス駅を午前10時に出発する「フライング・スコッツマン」の運用にも投入され、その高速性と快適性で多くの乗客を魅了しました。

当初、イギリス国鉄では、西海岸本線に試作導入されたAPT-Pに続き、東海岸本線にもAPTを導入する計画がありました。しかし、APT計画は度重なる失敗により1980年代に中止されました。インターシティー225は、このAPT計画の代替として開発されたものであり、イギリスの鉄道技術の粋を集めた車両として注目されました。

1996年の国鉄民営化以降、インターシティー225はGNER、ナショナル・エクスプレス・イースト・コースト、イースト・コースト、ヴァージン・トレインズ・イースト・コーストと運行会社が変遷しました。そして、2019年現在はLNERがこの車両を運用しています。

車両

インターシティー225の編成は、両端に動力車の91形電気機関車と制御荷物車（DVT）が配置され、その間に9両のマーク4客車が連結された、合計11両のプッシュプル方式で運行されています。31編成が1988年から1991年にかけて、GEC、メトロキャメル、BRELの3社によって製造されました。

運行路線の信号システムが高速運転に対応していないため、設計最高速度である225km/hに対し、営業運転での最高速度は200km/hに制限されています。しかし、1995年6月にヨーク近郊で行われた高速走行試験では、時速154.1マイル（約260.2km/h）を記録しており、そのポテンシャルの高さを示しました。

2001年から2006年にかけて、マーク4客車の更新工事が「マラード計画」の一環として実施され、快適性と安全性が向上しました。しかし、都市間高速鉄道計画の一環として、2019年からは日立製作所製の800形・801形への置き換えが進められています。

関連項目

• - インターシティー125

参考資料

• - デアゴスティーニ 鉄道データファイル 第113号

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