インターシル

インターシル（Intersil）について

インターシルは1999年に設立されたグローバルな企業であり、主にパワーマネジメントICに特化した技術を提供しています。産業、インフラ、モバイル、車載、航空宇宙と多岐にわたる市場で、高効率な電源管理技術や高精度なアナログ技術を開発しています。これらの製品は、特に厳しい環境条件での使用に最適化されており、高い信頼性が求められる分野で活躍しています。企業の本社は米国カリフォルニア州シリコンバレーのミルピタスに位置しています。

沿革

インターシルの歴史は1967年に始まり、ジーン・ヘーニによってデジタル腕時計用のIC製造を目的として設立されました。1970年代にはマイクロプロセッサ市場に参入し、先駆的なCMOS技術を使った12ビットIM6100マイクロプロセッサを発表しました。1988年にはHarris Semiconductorに買収され、その後1999年にHarrisの半導体部門がIPOを経てインターシルが誕生しました。

インターシルはその後、多くのアナログICやデジタル回路を開発し、納入先はプロ向けの顧客から広がった。特に、軍用機器向けの製品にも多くの実績があり、耐放射線特性を有する技術が完成度を高めています。2000年代にはVcoreパワーマネジメントICなど、さまざまなスイッチング電源ソリューションで市場リーダーの地位を築きました。

2012年、業績の減少に伴い、CEOのデイヴィッド・ベルが退任し、後任にはネイジップ・サイナエアーが選出されました。彼は企業の注力分野をパワーマネジメントICに絞り、2013年には黒字に転換しました。この変革の中で、電力効率を向上させ、小型化に成功する製品開発に力を入れました。

2016年には日本のルネサスエレクトロニクスがインターシルを買収する動きを見せ、2017年には買収が完了して完全子会社となりました。これは、自動運転技術の拡大を背景とした戦略的な選択とされています。

製品ラインナップ

インターシルは、多種多様な電源ICソリューションを提供しており、主にバッテリーマネジメント、コンピューティング電源、表示用電源、レギュレータ、電源モジュールなどの製品を扱っています。また、高精度アナログコンポーネントにおいても、アンプやデータコンバータ、オプトエレクトロニクス関連製品などを展開しており、幅広いニーズに応えています。

特に軍用および航空宇宙向けにおいては、インターシルは過酷な条件下での製品開発の経験を活かし、信頼性と性能の両立を目指しています。これによって、国際的なコンペティションの中でも競争優位性を確立しています。インターシルは今後も進化を続け、より効率的なソリューションの提供に注力していくことでしょう。

もう一度検索