インターネットアーキテクチャ委員会

インターネットアーキテクチャ委員会 (IAB) とは

インターネットアーキテクチャ委員会（Internet Architecture Board、IAB）は、インターネットソサエティ（ISOC）によって設立された委員会であり、インターネットの技術的および工学的な開発を監督する役割を担っています。IABは、インターネットの進化において重要な役割を果たしており、その活動は多岐にわたります。

IABの活動は、インターネットの基盤となる技術的な側面を管理し、標準化プロセスを監督することに重点を置いています。その活動は、インターネットが円滑に機能し、技術的な進歩を遂げるために不可欠です。

IAB の歴史

IABの起源は、1979年にアメリカ国防総省の国防高等研究計画局（DARPA）によって設立されたInternet Configuration Control Boardに遡ります。この委員会は、インターネットの初期段階における構成管理を担っていました。その後、1984年にInternet Advisory Boardと改称され、1986年5月にはInternet Activity Boardとなりました。

1992年1月、インターネットがアメリカ政府の管理下から徐々に国際的な公共物へと移行するにつれて、ISOCの管理下に移管され、現在のインターネットアーキテクチャ委員会（IAB）となりました。この変遷は、インターネットの成長と国際的な普及を反映しています。

IAB の組織構造

IABは、インターネットの技術開発を監督する上で、主要なタスクフォースを抱えています。特に重要なのが、以下の2つです。

Internet Engineering Task Force (IETF): インターネットプロトコルの標準化を推進する組織です。
Internet Research Task Force (IRTF): インターネット関連の研究活動を推進する組織です。

これらのタスクフォースは、IABの監督下で、それぞれ異なる側面からインターネットの発展に貢献しています。

IAB の主な活動

IABは、インターネットの技術的な進歩と安定性を確保するために、多岐にわたる活動を行っています。以下に主な活動内容をまとめます。

アーキテクチャ監督: インターネットで使用される通信プロトコルと手順のアーキテクチャ面を監督し、必要に応じてコメントを提供します。
標準化プロセス監督と苦情窓口: インターネットの標準規格作成プロセスを監督し、Internet Engineering Steering Group（IESG）の標準化方針に対する反対意見を受け付ける窓口となります。
Request for Comments (RFC) シリーズ: RFC文書シリーズの編集と出版を担当し、インターネット技術の仕様や情報を提供します。
Internet Assigned Numbers Authority (IANA): ICANNと協力して、IANAによる各種番号割り当てを監督します。これにより、インターネットにおけるリソース管理の整合性が保たれます。
外部窓口: IETFを管理する立場として、他の標準化団体との連携や調整を行います。
インターネット協会への助言: 技術的、アーキテクチャ的、手順的、方針的な問題に関して、ISOCの評議委員会に助言を行います。
IESGの追認: IETF Nominating Committeeが選出した候補者からIETF議長とIESGのエリアディレクターを任命（追認）します。
IRTFの会長選出: 2年ごとにIRTFの会長を選出します。

IAB の重要性

IABは、インターネットの技術的な発展を支え、その安定性を維持する上で不可欠な役割を果たしています。その活動は、インターネットがグローバルなコミュニケーションと情報交換の基盤であり続けるために必要不可欠です。

参考文献

Carpenter, Brian (editor), Charter of the Internet Architecture Board (RFC 2850, May 2000)

外部リンク

IAB
A Brief History of the Internet Advisory / Activities / Architecture Board
List of IAB Members

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