Internet Assigned Numbers Authority

IANA（Internet Assigned Numbers Authority）とは

IANA（Internet Assigned Numbers Authority、インターネット番号割当機関）は、インターネットの運営に不可欠な識別子を管理する組織です。具体的には、IPアドレス、ドメイン名、トップレベルドメイン、ポート番号など、インターネット上の様々なリソースを特定するための番号や名前の割り当てと管理を行っています。これらの識別子は、インターネットが円滑に機能するために欠かせないものであり、IANAはグローバルな調整役として重要な役割を担っています。

IANAの歴史

IANAの活動は、1970年代後半にジョン・ポステル氏が中心となって始まりました。当時、南カリフォルニア大学（USC）の情報科学研究所（ISI）に所属していたポステル氏は、インターネットの黎明期からこれらの識別子の管理の必要性を認識し、その活動をスタートさせました。

当初、IANAの運営費用の一部はアメリカ政府によって援助されていましたが、インターネットの急速な発展に伴い、管理体制の見直しが行われることになります。1998年にICANN（Internet Corporation for Assigned Names and Numbers、インターネット名称・番号割当機関）が発足し、インターネット資源の管理体制は大きく変化しました。

2000年、IANAの役割はICANNに引き継がれ、IANAはICANNにおける機能の名称となりました。つまり、IANAは組織の名前からICANNの機能の名前へと変化したのです。この変更により、IANAの活動はより国際的かつ透明性の高い組織によって運営されることになりました。

2016年からは、ICANNの子会社であるPTI（Public Technical Identifiers）がIANAの機能を担っています。PTIは、IANAの技術的な業務を専門的に行う組織であり、IANAの活動をさらに効率的に運営しています。

IANAの主な業務

IANAの主な業務は以下の通りです。

IPアドレスの割り当て: 世界中のインターネットサービスプロバイダや組織にIPアドレスを割り当てます。
ドメイン名の管理: トップレベルドメイン（.com、.orgなど）や国別コードトップレベルドメイン（.jp、.ukなど）を管理します。
ポート番号の管理: TCP/IPプロトコルで使用されるポート番号を管理します。
その他の識別子の管理: プロトコル番号、MIMEタイプ、文字コードなど、インターネットで使用される様々な識別子を管理します。

これらの業務を通じて、IANAはインターネットが正常に機能するために不可欠な役割を果たしています。IANAによって管理される識別子が適切に割り当てられ、管理されることで、インターネット上の通信がスムーズに行われています。

IANAと関連する技術

IANAは、XML宣言におけるエンコーディング名の登録にも関わっています。XML文書の文字エンコーディングを指定する際に、IANAに登録されたキャラクタセット名を使用することが推奨されています。これにより、異なるシステム間での文字化けを防ぎ、XML文書の互換性を確保することができます。

関連項目

ジョン・ポステル: IANAの創設に深く関わった人物です。
地域インターネットレジストリ（RIR）: IANAから割り当てられたIPアドレスを、地域ごとにさらに割り当てる組織です。
日本ネットワークインフォメーションセンター（JPNIC）: 日本におけるIPアドレスやドメイン名の管理を行う組織です。
Time Zone Database: IANAが管理するタイムゾーンのデータベースです。このデータベースは、ソフトウェアがタイムゾーンを正確に処理するために使用されます。

外部リンク

RFC 2468 - I REMEMBER IANA (英語) : ジョン・ポステル氏の追悼文
IANA (英語) : IANAの公式サイト
* PTI (英語) : IANAの機能を担うPTIの公式サイト

IANAは、インターネットの基盤となる重要な組織であり、その活動はインターネットの円滑な発展を支えています。今後も、インターネットの進化とともに、IANAの役割はさらに重要になっていくでしょう。

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