インターネットコンテンツセーフティ協会

一般[[社団法人]]インターネットコンテンツセーフティ協会（ICSA）は、インターネットサービスプロバイダ（ISP）、検索エンジン事業者、フィルタリング事業者などが、児童ポルノ掲載サイトへのアクセスを遮断する際に利用するアドレスリストの作成、維持、管理、提供を目的として設立された団体です。

設立の背景と経緯

2008年 3月、警察庁の報告書でインターネット上の児童ポルノ問題が提起されたことをきっかけに、対策の必要性が高まりました。
2009年6月には、警察庁主導で「児童ポルノ流通防止協議会」が設置されました。
2010年5月には、関係省庁が捜査・削除要請を待たずにブロッキングを即時実施することで合意し、同年7月には政府横断会議で「児童ポルノ排除総合対策」が決定されました。

これらの動きを受け、2010年11月には官民合同の「児童ポルノ排除対策推進協議会」が発足し、同年12月には「児童ポルノ流通防止対策専門委員会」が設立され、児童ポルノ流通防止協議会の構成員がほぼ移行しました。

2011年2月には「児童ポルノアドレスリスト提供規約」が発効し、同年3月にはICSAが設立されました。
ICSAは設立後、会員募集を開始し、児童ポルノ掲載アドレスリスト作成管理団体に正式に選定されました。そして、賛同するISPや検索事業者等へのアドレスリスト提供を同年4月から開始しました。

活動内容

ICSAは、児童ポルノ掲載サイトのアドレスリストを作成し、ISP、検索エンジン事業者、フィルタリング事業者に提供しています。これにより、これらの事業者は児童ポルノサイトへのアクセスを遮断したり、検索結果から除外したりすることが可能になります。

2014年 3月からはファイル共有ソフトを悪用した児童ポルノ流通防止対策にも取り組んでいます。
また、2018年4月には、政府による海賊版サイトへのブロッキング措置検討に対して、拙速な法制化を憂慮する声明を発表しました。

運営状況

警察庁によると、国内のISPは約500社あり、ICSA発足当初から参加している大手9社の契約世帯数は約2000万世帯で、全体の6～7割を占めています。
サービス開始当初、ブロッキング対象となったサイトは百数十に上ります。ICSAは、今後も警察庁と協力し、中小プロバイダーや地方の接続事業者、ケーブルテレビ事業者などへの参加を呼びかけています。また、株式会社インターネットイニシアティブが提供するネットワーク設備を利用する事業者のように、設備がブロッキングに対応したことで協会に加入する事業者も増えています。

組織運営体制

ICSAは、総会、理事会、事務局、運用チーム、運営委員会で構成されています。

理事には、日本インターネットプロバイダー協会、グーグル合同会社、ヤフー株式会社、日本ケーブルテレビ連盟、テレコムサービス協会、電気通信事業者協会、KDDI株式会社、エヌ・ティ・ティレゾナント株式会社の代表者が名を連ねています。

事務局長はヤフー株式会社の吉田奨氏、事務局次長は稲葉直宏氏が務めています。

会員

設立時の構成メンバーには、株式会社インターネットイニシアティブ、NECビッグローブ株式会社、NTTコミュニケーションズ株式会社、株式会社NTTぷらら、グーグル株式会社（現・Google合同会社）、KDDI株式会社、ソフトバンクテレコム株式会社、デジタルアーツ株式会社、ヤフー株式会社などが含まれています。2011年6月には、イッツ・コミュニケーションズ株式会社、インターネットマルチフィード株式会社など15社が新たに入会しました。

参加事業者

プロバイダー関連では、NECビッグローブ、NTTコミュニケーションズ、NTTぷらら、KDDI、ソネットエンタテインメント、ソフトバンクテレコム、ニフティ、インターネットイニシアティブなどがブロッキングを実施しています。また、検索サービス事業者関連では、NTTレゾナント、Google Inc.、Yahoo!株式会社などが検索結果の非表示を実施しています。さらに、フィルタリングサービス事業者関連では、デジタルアーツ株式会社、ネットスター株式会社、ヤフー株式会社などがフィルタリングによるアクセス制限を可能にしています。

脚注

この文章は、インターネットコンテンツセーフティ協会の活動内容や組織概要をまとめたものです。

外部リンク

- インターネットコンテンツセーフティ協会
- ブロッキングによる児童ポルノ対策 - 安心ネットづくり促進協議会

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