インターバンド

特定非営利活動法人インターバンド（Inter-Band）は、1992年に設立された国際協力NGOです。設立者は首藤信彦氏（現衆議院議員）で、現在の代表理事は小峯茂嗣氏が務めています。神奈川県に認証されたNPO法人であり、事務局は東京都新宿区四谷のアフリカ平和再建委員会内に置かれています。

インターバンドは、アジア、アフリカ、東ヨーロッパを中心に、平和構築と民主化支援を主な活動としています。具体的には、選挙監視、除隊兵士支援、小型兵器の武装解除、災害復興支援など、紛争後の地域における社会再建と人々の生活再建をサポートする活動を幅広く展開しています。活動地域は、インドネシア、カンボジア、東ティモール、コソボ、バングラデシュ、スリランカ、パキスタン、ルワンダ、フィリピンなど、多岐にわたります。

設立の背景と理念

冷戦後の世界では、紛争、貧困、人権侵害が蔓延し、人間の安全保障が脅かされる状況が続いています。インターバンドは、このような状況下で、難民や飢餓が発生するだけでなく、国家や社会経済システムを崩壊させる紛争を予防し、紛争に苦しむ人々が平和な生活を取り戻せるように支援することを目的として設立されました。

インターバンドの名称は、人類が最初に作った組織である「共通の目的を持って行動する小集団」、つまり文化人類学でいう「バンド（Band）」という概念に由来します。複雑に絡み合った国際問題を解決するためには、横のつながりだけでなく、一人ひとりが意識を高め、同じように考え行動する人々が次々とバンドを作り、連携（Inter-Band）をすることで、大きな運動へと発展させていくことが重要であるという理念に基づいています。この組織形態は、経営学者のピーター・ドラッカーが提唱する現代社会における新しい組織のあり方にも通じるものです。

主な活動

インターバンドは、設立以来、紛争地域における様々な問題に取り組んできました。以下に主な活動内容をまとめます。

選挙監視: カンボジア、インドネシア、東ティモール、スリランカ、コソボ、バングラデシュ、パキスタン、タイ、ネパール、フィリピンなど、多くの国で選挙監視活動を実施しています。公正な選挙の実施を支援することで、民主的な社会の発展に貢献しています。
除隊兵士支援: カンボジアでは、除隊兵士の社会復帰を支援する活動を行っています。紛争後の社会で、元兵士が社会に溶け込み、安定した生活を送れるようサポートしています。
小型兵器の武装解除: 紛争地域における小型兵器の拡散は、治安悪化の原因となります。インターバンドは、このような兵器の回収・廃棄を支援し、地域の安全確保に取り組んでいます。
災害復興支援: 災害により被害を受けた地域で、復興支援活動を行っています。被災者の生活再建とコミュニティの回復をサポートしています。

略歴

1992年：設立。本部を神奈川県横浜市に設置。カンボジアで地雷社会評価調査を実施。
1993年：モザンビーク、南アフリカ共和国にて現地調査を実施。
1994年：ボスニア・ユーゴスラビア、朝鮮民主主義人民共和国などで調査活動を開始。主に経済制裁が市民に与える影響を調査。
1994年：イラク、ルワンダ、ハイチにて現地調査を開始。
1998年：カンボジアで選挙監視活動を開始。
1999年：インドネシア、東ティモールで選挙監視活動を実施。
2000年：カンボジアで除隊兵士支援活動を開始。
2001年：スリランカ、コソボ、バングラデシュで選挙監視活動を実施。
2001年：パキスタン、東ティモール、カンボジアで選挙監視活動を実施。
2003年：カンボジアで国民議会選挙の選挙監視を実施。
2007年：タイで下院選挙の選挙監視を実施。
2008年：ネパールでクーデターによる王制崩壊後の制憲議会選挙の選挙監視を実施。
2010年：「自由選挙のためのアジアネットワーク（ANFREL）」として、フィリピン大統領選挙・総選挙監視に参加。

インターバンドは、これらの活動を通じて、紛争の予防と平和な社会の実現を目指し、世界各地で支援活動を行っています。

外部リンク

公式ウェブサイト

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