インター3

シマノ 内装3段変速機「インター3」徹底解説

シマノが製造する自転車用内装型変速機「インター3」は、一般的に内装3段変速機、もしくは略して3段変速機と呼ばれ、国内で広く普及しています。後輪ハブに内蔵されたこの変速機は、停止中でもギアチェンジが可能という大きな利点を持っています。

インター3の構造

インター3は後輪ハブ内部に巧みに組み込まれています。変速は、内部の遊星歯車機構によって行われ、ギアが切り替わる際に「コンッ」という軽快な音がします。この機構は、高い耐久性とスムーズな変速を実現しています。

メンテナンスの容易さも魅力の一つです。専用のグリスが充填されているため、長期間にわたってメンテナンスフリーで使用できます。しかし、メーカー推奨のメンテナンスは、初回1000km走行後、以降は1年または2000km走行毎に、専用オイルとグリスを使用することを推奨しています。

ブレーキの種類によって、インター3にはいくつかのバリエーションがあります。バンドブレーキまたはサーボブレーキ用とローラーブレーキ用があり、スポーク取り付け部の形状が異なります。また、コースターブレーキ内蔵タイプも存在します。

インター3の見分け方

インター3は、後輪ハブの変速機部分に貼られた「SHIMANO INTER3」または「NEXUS」のシールで識別できます。以前はゴールドのシールでしたが、現在はオレンジ色のシールが使用されています。また、変速機能のないハブと比べて、後輪ハブが一回り大きい（太い）ことも特徴です。

変速操作には、ハンドルに内蔵されたレボシフト式と、指先で簡単に変速できるピアノタッチ式の2種類のシフターが用意されています。

ギア比

インター3のギア比は以下の通りです。

1速: 0.733 (11/15)
2速: 1.00 (直結)
3速: 1.36 (15/11)

インター3の搭載車種

メンテナンスフリーの特性を活かし、軽快車、シティサイクル、折りたたみ自転車など、街乗り用途の自転車に多く採用されています。特に、ハブモーター方式以外の電動アシスト自転車では、高い確率でインター3が搭載されています。

インター3を使用する上での注意点

新型インター3では、走行中にトルクを掛けながら変速することもできますが、強いトルクを掛けながらの変速は避けるべきです。故障の原因となる可能性があり、変速時の回転数の変化によってペダルから足を滑らせる危険性もあります。旧型インター3では、走行中のトルクを掛けながらの変速はできません。

また、直結よりも速いギアに設定されている場合、走行中にフリーホイールにしていなくても「チッチッチッチッ」というラチェット音が聞こえることがあります。これはオーバードライブ状態（入力回転数より出力回転数が多い状態）によるもので、ラチェット機構が作動するため発生する音であり、故障ではありません。

納車時のグリス不足や長期間の使用によってグリスが不足し、内部機構に異常が生じる場合があります。修理は、内部ユニットの分解洗浄とグリスアップ、またはユニット交換が行われるのが一般的です。

インター3はメンテナンスフリーを謳っていますが、メーカーは性能維持のために、2年に1回、または頻繁に使用する場合には5000km毎に販売店でのグリスアップを推奨しています。

関連項目

変速機 (自転車)
シマノ・NEXUS
インター4
インター5
インター7
* インター8

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