インディファティガブル (帆走フリゲート)

インディファティガブル (HMS Indefatigable)

インディファティガブルは、イギリス海軍における歴史的な帆走フリゲートである。元々は1761年に設計された64門アーデント級戦列艦の一隻であり、1780年に建造が発注された。1781年にはハンプシャーのバッカース・ハードで起工が始まり、1784年の6月に進水した。その後、ポーツマスで艤装がおこなわれ、64門の2層甲板を持つ戦列艦として完成した。当時の建造費は25,210ポンド4シリング5ペンス、銅張りのコストを含めると約36,154ポンドに達した。しかし、インディファティガブルは完成時点で既に時代遅れとされ、戦列艦としての運用はほとんど行われなかった。

1794年からは、艦の改装が行われ、ポーツマスでの「レイジー化工事」により44門の大型フリゲートに改造されることとなった。この改装にかかる費用は8,764ポンドだった。

戦歴

インディファティガブルは1794年の12月に正式に就役し、艦長にはサー・エドワード・ペリューが就任した。ペリューは1798年までの間、本艦を指揮し、多くの敵艦を捕獲する実績を上げた。中でも1797年1月13日にパンマル岬沖で行われたフランス艦ドロワ・ドロームとの戦闘が特に有名である。この戦闘では、インディファティガブルとフリゲート「アマゾン」が共同で戦い、フランス艦は強風によって海岸に打ち上げられた。その際、アマゾンは陸に漂流して乗組員の大半が捕虜となったが、インディファティガブルは船体を修理し、巧みな操船によって無事に脱出した。

1802年3月にはアミアンの和約によりフランスとの休戦が成立し、インディファティガブルはプリマスで予備役に編入されたが、1803年に再び交戦状態に突入したため、翌年7月には再就役し、グレアム・ムーア艦長の指揮の下で活動を再開した。

1804年10月には、ムーア艦長が指揮するインディファティガブルが、カディス港外でスペイン艦隊を捕捉した。この艦隊はカリブ海から金地金を運送しているもので、スペインがナポレオンと結託する兆しを見せていたため、イギリス側は動きを警戒した。捕獲の際、スペイン艦「メルセデス」が爆沈し、残る艦は降伏する形となったが、捕獲賞金は海軍本部の指示により正式な捕獲としては認められず、艦長らは政府から少額の報酬のみを受け取ることになった。

インディファティガブルの活動は1815年の南米での任務をもって終止符を打ち、1816年の8月に解体される運命を迎えた。

主な捕獲艦

インディファティガブルの艦長たちは数多くの艦船を捕獲しており、サー・エドワード・ペリューの指揮下での重要な捕獲には以下のような艦がある。

• - 1796年4月22日：フリゲート「ラ・ヴィルジニー」
• - 1796年6月11日：ブリッグ「ル・トロワ・クールール」及び「ラ・ブロンド」
• - 1797年1月4日：私掠船「ル・ヴァンジュール」
• - 1800年10月28日：フリゲート「ラ・ヴェニュス」

多くの捕獲艦は、私掠船でありながら、その重要性は決して低くはなかった。

文学におけるインディファティガブル

「インディファティガブル」はC・S・フォレスターの小説の中でも重要な役割を果たしており、主人公ホレイショ・ホーンブロワーの士官候補生時代を描く際の舞台として設定されている。また、フォレスターのホーンブロワーシリーズだけでなく、パトリック・オブライアンの作品などでもこの艦の活動が織り交ぜられており、文学的にも多大な影響を与え続けている。このように、インディファティガブルは歴史的にも文学的にも、重要な存在としてその名を刻んでいる。

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