イントゥ・ザ・ストーム

イントゥ・ザ・ストーム：迫りくる竜巻と、人々のドラマ

2014年公開のアメリカ映画『イントゥ・ザ・ストーム』は、オクラホマ州シルバートンを舞台に、未曾有の竜巻災害に巻き込まれた人々の闘いを描いたパニック映画です。製作段階では『ブラック・スカイ』というタイトルでしたが、公開に際し変更されました。監督はスティーヴン・クォーレ、脚本はジョン・スウェットナンが担当し、リチャード・アーミティッジ、サラ・ウェイン・キャリーズらが出演しています。

物語：卒業式の日、襲いかかる竜巻

物語は、高校の卒業式の日から始まります。教頭のゲイリー・フラーは、息子たち、トレイとドニーに、25年後に開けるタイムカプセルのメッセージ収録を依頼します。一方、ベテランの竜巻ハンター、ピート率いるチームは、最新鋭の装甲車「タイタス」で竜巻の撮影に挑んでいました。彼らの追跡は、シルバートンへと向かいます。

シルバートンでは、予期せぬ大規模な竜巻が発生。高校では生徒たちがパニックに陥り、校舎に避難します。竜巻は高校のすぐ近くを通過し、校舎に大きな被害をもたらします。ゲイリーは、製紙工場にいた息子ドニーの救出に向かいますが、建物の倒壊によって閉じ込められてしまいます。

竜巻ハンターのチームも、次々と襲い来る竜巻に翻弄されます。撮影に熱心なピートと、安全確保を優先する気象学者アリソンとの間には、意見の食い違いが生じます。さらに、竜巻の一つがファイヤネード（火災を伴う竜巻）へと変化し、犠牲者も出ます。

危機的状況の中、ゲイリーとアリソンは、被災した製紙工場で、ドニーと、彼とともにいたケイトリンを救出します。しかし、シルバートン上空には、巨大なEF-5竜巻が発生。町全体を壊滅させるほどの規模です。

住民たちは学校に避難しますが、ピートは学校のシェルターが危険であると判断し、避難を促します。しかし、通信手段が途絶え、ピートたちは必死で避難を呼びかけます。彼らと避難者たちは、工事現場の雨水管に避難しますが、竜巻はさらに激しさを増していきます。

絶体絶命の状況の中、ピートは自身の研究データの入ったハードディスクをゲイリーに託し、タイタスを使ってシェルターの補強を試みます。しかし、タイタスは竜巻によって持ち上げられ、ピートは竜巻の中心へと吸い込まれていきます。それは、竜巻ハンターとしての彼の夢が叶った瞬間でもありました。そして、EF-5竜巻は消滅します。

キャストとキャラクター

ゲイリー・フラー（リチャード・アーミティッジ）： 災害の中、家族の大切さを改めて知る教頭。
ドニー・フラー（マックス・ディーコン）： ゲイリーの息子で、高校3年生。
トレイ・フラー（ネイサン・クレス）： ゲイリーの息子で、高校2年生。
ピート・ムーア（マット・ウォルシュ）： 竜巻ハンターチームのリーダー。
アリソン・ストーン（サラ・ウェイン・キャリーズ）： 気象学者の博士。
ケイトリン・ジョンストン（アリシア・デブナム＝ケアリー）： ドニーが好意を寄せる高校3年生。

他にも、竜巻ハンターチームのメンバーや、シルバートンの住民たちが物語を彩ります。

制作と公開

映画の制作は2012年7月にデトロイトで開始されました。ミシガン州各地で撮影が行われ、2014年8月8日にアメリカで公開されました。日本でも同年8月22日に公開され、初週の成績は興行収入1億3500万円を超えるヒットとなりました。

批評家の評価

Rotten Tomatoesでは、160件のレビューのうち21%が肯定的な評価で、平均点は4.3点でした。批評家からは、脚本やキャラクターの描写に課題があると指摘されていますが、特殊効果については高い評価を得ています。Metacriticでは、平均点が44点と、賛否両論の評価となっています。

まとめ

『イントゥ・ザ・ストーム』は、圧倒的なスケールと迫力の映像で、竜巻災害の恐怖と、それを乗り越えようとする人々のドラマを描いた作品です。自然の驚異と、人間ドラマの両面から、観る者に強い印象を残す映画と言えるでしょう。

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