リチャード・アーミティッジ

リチャード・アーミティッジ：多才な英国俳優の軌跡

リチャード・アーミティッジは、英国を代表する実力派俳優の一人です。1971年8月22日、イングランドのレスターに生まれました。彼の名前は、しばしば「アーミテージ」と表記されますが、正しい発音は第一音節にアクセントのある/ˈɑrmɪtɪdʒ/です。

早期経歴と舞台俳優としてのキャリア

アーミティッジは、レスター州で育ち、音楽に囲まれた環境で過ごしました。ブロッキングトン・カレッジではチェロを、そしてフルートも学びました。その後、コヴェントリーのパティソン・カレッジに進学し、ダンスと演技を本格的に学び始めます。彼のキャリアは、バーミンガムのアレックス・シアターでの『ホビットの冒険』でドワーフの王子役を演じたことから始まりました。

その後、ロンドン・アカデミー・オブ・ミュージック・アンド・ドラマティック・アート（LAMDA）を卒業し、舞台俳優としての経験を積みます。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー（RSC）の『マクベス』や『マルフィ侯爵夫人』、バーミンガム・レパートリー劇団の『ハムレット』などに出演しました。若き日のアーミティッジはミュージカル俳優を目指していましたが、21歳の頃、より真実味のある演技を求め、演劇の世界に転身することを決意しました。

17歳の時には、舞台俳優組合の資格取得を目指し、ブダペストのサーカスに参加するなど、様々な経験を積みました。RSCの『マクベス』の日本公演では、アンガス役として来日。僅か7行のセリフでしたが、彼の存在感と演技力は多くのファンを魅了しました。この時、彼を待ち構えていたのは『スター・ウォーズ』のマニアで、『エピソード1/ファントム・メナス』への出演を知ってサインを求めていたというエピソードが残っています。

テレビドラマでの活躍

アーミティッジはBBCのテレビドラマで注目を集め始めます。2002年の『Sparkhouse』での内気なジョン・スタンドリング役を経て、2004年には、エリザベス・ギャスケルの小説を原作とするBBCドラマ『北と南』で主人公ジョン・ソーントンを演じ、主役として一気に人気俳優の仲間入りを果たしました。自身の労働者階級の家庭環境と、ソーントン役のキャラクターに共感したことが、彼を役へと引き寄せたと言われています。

その後も数々のテレビドラマで活躍します。『ロビン・フッド』では、魅力的な悪役サー・ガイ・オブ・ギズボーン役を熱演。善悪の間で揺れる複雑なキャラクターを鮮やかに演じきりました。また、スパイアクション『MI-5 英国機密諜報部』では、ロシアでの獄中生活による心の傷を負ったルーカス・ノース役を演じ、高い評価を得ました。この役柄のために、自ら水責めを体験したという逸話も有名です。その他、様々なテレビドラマやミニシリーズで主役や重要な役柄を演じ、その高い演技力が認められました。

映画への進出と声の出演

2011年には、マーベル・スタジオ製作の映画『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』に出演。そして、ピーター・ジャクソン監督による映画『ホビット』三部作では、ドワーフの王トーリン・オーケンシールドを演じ、世界的な知名度を獲得しました。

アーミティッジは、テレビドラマや映画だけでなく、ラジオドラマやオーディオブックのナレーションなど、声の出演でも活躍しています。BBCラジオ4の『クラリッサ』では主役を務め、多様な才能を披露しました。

私生活

2023年、アーミティッジは自身のセクシュアリティについて公表しました。19歳の時に家族にカミングアウトしたものの、公に発表する決断に至ったのは最近のことです。

まとめ

リチャード・アーミティッジは、舞台、テレビドラマ、映画と幅広い分野で活躍する、才能溢れる俳優です。彼の演技に対する真摯な姿勢、そして役への深い洞察力は、観る者を魅了し続けています。これからも、彼の活躍から目が離せません。

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