インドの国章

インドの国章は、サールナートにある「アショーカの獅子柱頭」を起源としています。この獅子柱頭は、アショーカ王が釈迦の教えが最初に説かれた場所を示すために建てたもので、四頭のライオンが四方を向いているデザインが特徴です。円柱の冠板には、象、駿馬、雄牛、獅子が帯状に彫刻され、それぞれの間には法輪またはアショーカ・チャクラの車輪が配されています。オリジナルの獅子柱頭は紀元前250年頃に作られ、現在はサールナート美術館に所蔵されています。

国章として採用された際には、正面から見たときに背面のライオンが隠れるため、四頭のライオン全てが見えるわけではありません。また、柱頭の下部にあったハスの装飾は省略されています。獅子の下部には、中央に法輪が、右に雄牛、左に駿馬が描かれています。さらに、右端と左端には法輪の外郭が配置されています。

国章の下部には、デーヴァナーガリー文字で「Satyameva Jayate: सत्यमेव जयते」というモットーが刻まれています。これは、「真実のみが勝利する」という意味で、ヒンドゥー教の経典であるウパニシャッドから引用されたものです。このモットーは、ヒンドゥー教のヴェーダ書の教えにも繋がっています。

インドの国章は、1950年1月26日にインドが共和国となった際に正式に採用されました。今日では、インド政府の公式文書、通貨、パスポートなど、様々な場所で使用されています。また、国章の一部である法輪は、インドの国旗の中央にも描かれています。

この国章は、インドの歴史と文化を象徴する重要なシンボルであり、そのデザインとモットーは、インドの価値観と精神を体現しています。

関連情報

国章の一覧
インドの国旗

外部リンク

The State Emblem of India or the National Emblem of India
“National Insignia”, Embassy of India, Washington D.C., USA
State Emblem of India (Prohibition of Improper Use) Act, 2005 at the Ministry of Home Affairs web site
Emblems and Names (Prevention of Improper Use) Act, 1950
The National Emblem displayed on the Homepage of Ministry of Home Affairs, Government of India
The National Emblem displayed on the Homepage of Ministry of Environment & Forests, Government of India
* lioncapital from Columbia University Website, New York, USA

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