インドラヴァルマン4世

インドラヴァルマン4世: チャンパ王国の第5代国王

インドラヴァルマン4世（サンスクリット語: इन्द्रवर्मन् ४、ラテン文字転写: Indravarman IV）は、チャンパ王国の第7王朝における第5代国王であり、982年から986年までの間に在位しました。彼の治世は、チャンパ王国の動乱の時期にあたり、外部からの侵略と内部の権力争いの渦中にありました。

生涯と治世の背景

984年、インドラヴァルマン4世が即位する前に、前黎朝の大瞿越軍がチャンパに侵攻しました。これは「大瞿越戦争」として知られており、王国の存続が脅かされる厳しい状況でした。パラメーシュヴァラヴァルマン1世が戦死した後、インドラヴァルマン4世は即位することとなりますが、彼は即位直後に王都インドラプラを脱出し、南方に逃れざるを得ませんでした。この逃避行は、彼の王としての危機的な立場を象徴しています。

即位した翌年の983年、インドラヴァルマン4世は中国の宋王朝に使者を送り、象を献上するなど国際的な交流を図りました。この象の献上は、太宗によって広州で育てられることとなり、国際関係の構築において重要な役割を果たしました。さらに、同年10月にも彼は宋に再び使者を送り、馴れている象を献上しました。

外交政策とその影響

985年には、インドラヴァルマン4世が婆羅門金歌麻を宋に遣使し、龍脳、玳瑁、象牙、越諾布などの貴重な品々を献じました。これに加え、彼は大瞿越の侵略について訴え、太宗に対して助けを求めました。太宗は両国の仲を取り持つよう詔を発し、国際的な支援を呼びかけました。このような外交政策は、インドラヴァルマン4世の治世において唯一の明るい話題であったとも言えます。

権力争いと死去

インドラヴァルマン4世が南部に逃げている間、安南人の劉継宗がチャンパにおける権力を握りました。最終的に、インドラヴァルマン4世は986年に死去し、その後は占城王を名乗ることとなった劉継宗の影響下で、チャンパ王国は新たな時代を迎えることとなります。彼の死は、国の情勢に大きな変化をもたらし、チャンパはさらなる困難な道を歩むことになりました。

参考資料

インドラヴァルマン4世に関する情報は、彼に関する史料、およびチャンパ王国の歴史を研究した文献から得ることができます。重要な参考文献として、George Cœdèsの『The Indianized States of South-East Asia』、石井米雄編の『東南アジア史 I 大陸部』、さらには『宋史』の各巻が挙げられます。これらの資料は、インドラヴァルマン4世やチャンパ王国の歴史的背景についての理解を深めるのに役立つでしょう。

インドラヴァルマン4世は、チャンパ王国の歴史の中で特に重要な役割を果たした人物です。彼の治世は、外部からの圧力と内部の権力闘争が交錯する tumultuous な時代であり、その中で彼がどのように国を導こうとしたのかを知ることは、歴史の理解を深める上で非常に重要です。

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