インドラヴァルマン5世

インドラヴァルマン5世の生涯と業績

インドラヴァルマン5世（サンスクリット語: इन्द्रवर्मन् ५）は、チャンパ王国の第12王朝における3代目の国王です。在位期間は1266年から1288年にかけてであり、彼の初名はジャヤ・ハリデーヴァでした。彼の治世は、政治的な陰謀、朝貢行為、外敵との戦闘など、様々な出来事に恵まれています。

出生と即位

インドラヴァルマン5世は、先代の国王ジャヤ・インドラヴァルマン6世の外甥であり、ジャヤ・ハリヴァルマン2世の孫です。彼は叔父を殺害して国王の座に就いたとされ、その背景には、王位争いの波乱を経ての権力掌握があったことが窺えます。このような不安定な権力基盤の下、彼は国家の統治を行わなければなりませんでした。

朝貢行為

インドラヴァルマン5世は1267年に陳朝大越に使者を送り、多くの朝貢を実施しました。1350年までに彼は計4回にわたって大越に白象を献じ、友好関係を築く努力を続けました。1278年には元からの使者が来訪し、宋の滅亡を知らせました。このとき、彼は元への服属の意図を示し、栄禄大夫に任じられ、占城郡王に封じられました。

戦乱と抵抗

1282年、元はチャンパを直接支配するために占城行省を設置し、元軍が上陸しました。インドラヴァルマン5世は長男のハリジットと共に木城を築いて徹底的に抵抗しました。しかし、1283年2月、元軍に木城を破られ、王都ヴィジャヤを放棄し、鴉候山へ逃れることとなりました。

その後、彼は大越やクメール、シンガサリ王国に援助を求めるものの、状況はますます厳しくなりました。元軍の侵攻が続く中で、インドラヴァルマン5世は叔父を通じて元軍に降伏するふりをし、時間を稼ぎました。1284年の春には元軍を撤退させることに成功し、ついには元に帰順する使者を送りました。

晩年と死去

インドラヴァルマン5世の最晩年は、戦乱による混乱の中で過ごすことになりました。1285年には元軍指揮官ソゲタイが大越で戦死し、その後、彼は世祖に対して使者を送り、国の安定を図る努力を続けました。マルコ・ポーロが訪れた時期には、彼はすでに非常に高齢であったとされ、その後まもなく亡くなったと考えられています。

結論

インドラヴァルマン5世の治世は、朝貢を通じた外交的な努力や、外敵からの抵抗を優先させた政治的戦略など、チャンパ王国における重要な歴史的な時期を象徴しています。彼の生涯は、権力争い、外交、戦争の連続であり、その影響は後の時代にも引き継がれています。

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