インド共和党

インド共和党の歴史と現状

インド共和党（Republican Party of India）は1957年に創設されたインドの政党であり、ビームラーオ・アンベードカルの思想や遺志を引き継いでいます。その設立の背景には、アンベードカルが中心となって形成した指定カースト連合がありました。彼は、単なる指定カーストだけでなく、指定部族やその他の後進的階級をも含む、被抑圧者のための新しい政党を構想していたのです。

しかし、アンベードカルの死後、インド共和党は内部での対立が絶えず、いくつかの派閥が発生しました。一部はインド共産党や社会主義者に流れ、党の結束は次第に弱まっていきました。1962年のローク・サバー（インド下院）総選挙において、同党は10議席を獲得しピークを迎えましたが、その後の選挙では議席数が減少し、1971年の選挙以降は壊滅的な状況に陥りました。今日に至るまで、ローク・サバーでの議席数は、党派の合計でも5議席を超えることがありません。

インド共和党は全インド規模の政党を標榜しているものの、実際の支持基盤は主にマハーラーシュトラ州のボンベイやナグプールなど、特定の地域に限定されています。このため、党の影響力は地域的に偏重していると見なされています。

近年では、インド国民会議との関係が特に強いとされる一派、ラムダス・アータワーレーが指導する新たなインド共和党（統一派）が形成されました。この派閥は、2009年に発生した党の分裂後、共和党系の勢力を再結成し、統一を目指しましたが、プラカシュ・アンベードカル（ビームラーオ・アンベードカルの孫）を支持する側はこれに参加しませんでした。このような状況から、同じようなダリットを基盤にする政党であっても、ウッタル・プラデーシュ州で勢力を拡大している大衆社会党がダリットの代表と見なされることが増えています。

インド共和党はその歴史的背景と現在の状況において、ダリットの権利や利益を議論する場を提供するものではありますが、党内の対立や地域的な制約のために、十分な影響力を持つに至っていないのが実情です。今後、同党がどのように変化していくのか、また、ダリットの代表としての役割を果たすことができるのかが注目されています。

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