インナーヴィジョンズ

『インナーヴィジョンズ』：スティーヴィー・ワンダーの傑作

スティーヴィー・ワンダーの16枚目となるオリジナル・アルバム『インナーヴィジョンズ』は、1973年に発表され、音楽シーンに大きな影響を与えました。このアルバムは、グラミー賞の最優秀アルバム部門と最優秀録音部門を受賞するなど、そのクオリティと革新性は高く評価されています。

録音はロサンゼルスのレコード・プラント・スタジオやニューヨークのメディア・サウンド・スタジオで行われ、ワンダー自身がほとんどの楽器を演奏しました。特に、「汚れた街」「ハイアー・グラウンド」「神の子供たち」の3曲は、スティーヴィーが一人で多重録音を行い、その創造的なプロセスがこのアルバムの特異性を際立たせています。プロデューサーとしても名を馳せている彼は、この作品で自身の音楽性をさらなる境地へと引き上げました。

アルバムには、「ハイアー・グラウンド」「汚れた街」「くよくよするなよ」の3曲がシングルとしてアメリカでリリースされ、特に「ハイアー・グラウンド」は全米チャートで4位を記録しました。また、イギリスでは「いつわり」がシングルとして取り上げられるなど、国際的にも知られる作品となりました。さらに、この楽曲はレッド・ホット・チリ・ペッパーズの1989年のアルバム『母乳』でカヴァーされるなど、世代を超えて愛され続けています。

アルバムの収録曲は、以下のようになっています。

収録曲

Side 1

• - トゥ・ハイ - Too High (4:35)
• - 愛の国 - Visions (5:21)
• - 汚れた街 - Living for the City (7:21)
• - ゴールデン・レディ - Golden Lady (4:57)

Side 2

• - ハイアー・グラウンド - Higher Ground (3:40)
• - 神の子供たち - Jesus Children of America (4:08)
• - 恋 - All in Love Is Fair (3:40)
• - くよくよするなよ - Don't You Worry 'bout a Thing (4:43)
• - いつわり - He's Misstra Know-It-All (5:35)

このアルバムは、スティーヴィー・ワンダーの音楽スタイルを洗練させると同時に、1970年代のソウル・ミュージックにおける重要な作品とされています。また、2020年には『ローリング・ストーン』の「オールタイム・ベストアルバム500」において34位にランクインし、その永続的な影響力を証明しています。スティーヴィー・ワンダーは、このアルバムを通じて、より深いメッセージや社会的なテーマを音楽に込めており、聴く者に深い感動を与え続けています。この作品は、彼のキャリアにおいても特別な位置を占めており、今なお多くのリスナーに愛される一枚です。

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