レコード・プラント・スタジオ

レコード・プラント・スタジオ：音楽史を彩る伝説の録音スタジオ

レコード・プラント・スタジオは、音楽史に燦然と輝く数々の名盤を生み出した、伝説的な録音スタジオです。ゲイリー・ケルグレンとクリス・ストーンという異色のコンビによって設立され、1960年代後半から1980年代にかけて、ニューヨーク、ロサンゼルス、サウサリートに拠点を構え、数多くのアーティストの創造性を刺激し、音楽史にその名を刻みました。

革新的なスタジオ設計

レコード・プラントの成功の要因の一つは、創設者であるゲイリー・ケルグレンの革新的なスタジオ設計でした。従来のスタジオのイメージを覆し、アーティストがリラックスして創造性を発揮できるような、リビングのような快適な空間を作り出したのです。優れた音響性能と最新鋭の設備に加え、浴室を設置するなど、それまでのスタジオにはなかった斬新なアイデアが盛り込まれていました。ケルグレンの設計思想は、その後の録音スタジオのあり方に大きな影響を与え、現在のスタジオの原型を作ったと言えるでしょう。

数々の名盤が生まれた場所

レコード・プラントでは、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスの『エレクトリック・レディランド』を皮切りに、数えきれないほどのアルバムがレコーディングされました。イーグルスの『ホテル・カリフォルニア』、フリートウッド・マックの『噂』、スティーヴィー・ワンダーの『キー・オブ・ライフ』など、音楽史に残る名盤が多数、このスタジオで誕生しています。また、1970年代には、ハウス・エンジニアのシェリー・ヤクスやロイ・チカーラが、地元のバンドの育成にも尽力し、レコード・プラントは、新たな才能が開花する場所としても重要な役割を果たしました。

スタジオの変遷

レコード・プラントは、時代とともに変遷を遂げました。1980年代には、ニューヨークとサウサリートのスタジオの経営者が変わり、ロサンゼルスのスタジオがメインとなりました。ニューヨークのスタジオは閉鎖され、ロサンゼルスとサウサリートのスタジオは、それぞれ別の経営の元で運営されています。サウサリートのスタジオは、「ザ・プラント」という名で親しまれていましたが、2008年に閉鎖されました。

音楽史におけるレガシー

レコード・プラント・スタジオは、ロックンロール、レゲエ、カントリー、パンク、ブルース、フォーク、ソウル、ヒップホップなど、あらゆるジャンルの音楽を受け入れ、数多くのアーティストの創造性を支えてきました。その革新的なスタジオ設計と、数々の名盤を生み出した功績は、音楽史に深く刻まれています。現在、ニューヨークのスタジオは閉鎖され、サウサリートのスタジオも営業を停止していますが、レコード・プラントのレガシーは、今もなお、音楽業界に影響を与え続けています。

数々の伝説的なアーティストたちが愛したレコード・プラント・スタジオは、まさに音楽の歴史そのものと言えるでしょう。

レコード・プラントでレコーディングされた主なアルバム

ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス：エレクトリック・レディランド
イーグルス：ホテル・カリフォルニア
フリートウッド・マック：噂
スティーヴィー・ワンダー：キー・オブ・ライフ
ブルース・スプリングスティーン：明日なき暴走
キッス：地獄の軍団
ジョン・レノン：イマジン
ブラック・サバス：マスター・オブ・リアリティ
メタリカ：ロード
エミネム：ザ・マーシャル・マザーズ・LP
* レディー・ガガ：ザ・フェイム

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