インフィニティ・FX

インフィニティ・FXおよびインフィニティ・QX70

インフィニティ・FX（INFINITI FX）およびインフィニティ・QX70（INFINITI QX70）は、日産自動車が手掛けるクロスオーバーSUVで、日本国内を含む多くの国で展開されてきました。このモデルは2003年に北米市場に登場し、特にスポーツカーと高級SUVの特性を併せ持つことから注目を浴びました。競合モデルにはBMWのX5やポルシェのカイエンなどがあり、プレミアムSUVの分野で確固たる地位を築いています。

概要

インフィニティ・FXは、スポーティなデザインと高い走行性能を持つSUVとして、最初に発表されたのが2001年のデトロイトモーターショーでした。コンセプトモデルから市販化までの過程で、初代モデルは特に北米での成功を収め、ピーク時には月販6,000台を超える実績を上げました。この成功により、インフィニティブランドの認知度とイメージを大幅に向上させました。

初代モデルは主に左ハンドル車として設計されており、初めての右ハンドルモデルは2代目のS51型系から採用されました。同型車はイギリスなどの右側通行の国向けに2009年以降販売が開始され、2014年モデルからは新たに「インフィニティ・QX70」として改称されました。これは車名の再ブランド戦略によるもので、北米市場における展開を意図したものでした。

初代 S50型系

初代S50型系のインフィニティ・FXは、2003年に発売され、製造は日産車体湘南工場で行われました。デザインのテーマは「バイオニックチーター」であり、野性味と優美さを兼ね備えたスタイルを目指しています。2001年に発表されたコンセプトから進化を遂げ、2002年の市販車ではこれらのスタイリングを基に制作されています。モデルチェンジの中では、2005年にリアコンビランプのLED化、さらに2006年にはフロントグリルと20インチアルミホイールのデザイン変更が行われました。

メカニズムにおいては、FR-Lプラットフォームを採用し、前後に異なるサスペンション形式を配置しており、乗り心地と走行性能を両立させています。特に、FX45には標準で20インチの大きなホイールが装備され、スタイリングにもこだわりが感じられます。駆動方式にはFRと4WDが選ばれ、特にFX45は4WD専用となっています。

2代目 S51型系

2008年には、新型の「FX50」がジュネーブモーターショーで発表され、同様にスポーツカー要素を取り入れたクロスオーバーとして注目を集めました。この2代目モデルは、デザインやメカニズムを一新し、製造は栃木工場に移管されました。2014年モデルからはさらに「インフィニティ・QX70」と改名され、北米市場を中心に広く展開されました。

このモデルでは、ロングノーズでショートオーバーハングを特徴とするボディスタイルが導入されており、大径の21インチホイールによりスポーティな印象を強調しています。内装においても、ダブルウェーブの流れを持つインストルメントパネルや上質な仕立てのシートが特徴で、スポーティさと快適性を両立させています。

メカニズムにおいては、初めて7速ATを採用し、運転支援機能や電子制御ショックアブソーバーを搭載することで、快適なドライビングを実現しました。また、特別仕様車としてF1ドライバーの意見を取り入れた「セバスチャン・ベッテル・バージョン」も販売され、エンジン出力を高めたモデルとして話題を呼びました。

結論

インフィニティ・FXとQX70は、デザイン、性能、機能性の全てにおいて優れたクロスオーバーSUVとして、多くの地域で支持を受け、ブランドの展開に大きく寄与したモデルです。

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