インフィニティ・G

インフィニティ Gシリーズの歴史

インフィニティGシリーズは、日産自動車が製造し、高級車ブランド「インフィニティ」で販売されていた乗用車です。その歴史は、初代から4代目まで、日産の技術とデザインの進化を反映しています。

初代 (1990年-1996年) P10型

1990年7月10日に販売開始された初代Gは、インフィニティブランドの中で最も安価なモデルとして登場しました。日産プリメーラ(P10型)の姉妹車であり、プリメーラよりも装備が充実していました。パワーウィンドウ、オートエアコン、ABS、BOSEステレオ、盗難防止システム、フロアマットなどが標準装備され、1994年からはツーリングモデル「G20t」も追加されました。1993年にはマイナーチェンジが行われ、フェイスリフトやエンジン改良、デュアルエアバッグの装備、レザーインテリア、フロントパワーシート、6スピーカーCDプレーヤーなどが導入されました。1996年7月に生産終了し、後継の2代目G20が登場するまでの間は、I30がエントリーモデルの役割を果たしました。

2代目 (1998年-2002年) P11型

1998年5月18日に販売が開始された2代目Gは、初代モデルから少しのブランクを置いての登場でした。ニューヨーク・オートショーで発表され、プリメーラカミノ(P11型)の姉妹車として国内でも販売されました。初代同様にプリメーラよりも装備が充実しており、1999年から2001年にはツーリングモデル「G20t」も販売されました。その後、レザー・スウェードのツートンシートを装備したスポーツモデルが追加されました。2000年にはマイナーチェンジが行われ、エンジンやトランスミッションの変更、イモビライザーの装備などが実施されました。2001年に国内仕様のプリメーラがモデルチェンジした後も、G20は後継のG35セダンが発表されるまで販売が継続されました。

3代目 (2002年-2007年) V35型

2002年1月にセダン、6月にはクーペが発売されました。この世代からGは大型化し、日産スカイライン(V35型)の姉妹車となりました。V35型スカイラインは国内では不評でしたが、北米市場では高い評価を受け、モータートレンドカーオブザイヤーやカー・アンド・ドライバー誌10ベストカーに選ばれました。クーペモデルは、フェアレディZが2シーター専用となったため、4シーターを求めるユーザーに対応する位置づけでした。ATTESA E-TSを採用した四輪駆動モデル「G35x」も設定されました。2004年にはクーペに新色が追加され、2005年にはマイナーチェンジが行われ、インパネレイアウトの変更やブレーキの仕様変更が行われました。また、2005年7月には韓国市場にも投入されました。生産拠点は追浜工場から栃木工場に移管されました。

4代目 (2006年-2016年) V36型

2006年9月にセダン、2007年6月にクーペが販売開始されました。このモデルもスカイライン(V36型)の姉妹車でしたが、クーペは3.7LのVQ37VHRエンジンを搭載したため、車名がG37クーペに変更されました。北米では非常に高い評価を受け、コンシューマー・レポートやオートモビルマガジン、カー・アンド・ドライバー誌などで数々の賞を獲得しました。2008年秋からは欧州でも販売が開始され、G37セダンとクーペはVQ37VHRエンジンと7速ATを搭載しました。Gクーペには4WD仕様のG37xも追加されました。2008年にはG37コンバーチブルも追加され、2009年にはセダンがマイナーチェンジを受けました。2010年モデルからは中国仕様車として2.5L VQ25HRエンジンを搭載した「G25セダン」が追加されました。2013年にはGセダンの後継車種Q50が発表され、新ネーミング戦略が採用されました。その後、G37クーペとコンバーチブルはそれぞれQ60とQ60コンバーチブルに改名され、2014年にはG37がQ40に改名されました。2015年には生産終了が発表され、2016年に販売を終了しました。


Gシリーズは、日産自動車の技術力とインフィニティブランドの高級感が融合したモデルとして、その歴史の中で多くの人々に愛されました。姉妹車であるプリメーラやスカイラインとの関係性も、この車の魅力を語る上で欠かせない要素です。

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